第6話 怪物の心臓には石がある
異世界の素材で鎧を作る。
口にするだけなら簡単だった。
実際に作ろうとすると――問題しかなかった。
「……やっぱり重い」
神代製作所。
拓真はパソコンのモニターを見つめながら、深いため息をついた。
画面に表示されているのは、人間の身体を模した三次元モデル。
その上から、いくつものフレームと装甲板が重ねられていて全身を覆う。
拓真が子供の頃から何度もノートへ描いてきた、ヒーローの鎧。
ただし、今回は落書きではない。
寸法。
重量。
可動域。
必要トルク。
バッテリー容量。
駆動時間。
すべて数字が入っている。
そして。
数字を入れれば入れるほど。
「……重いなぁ」
「さっきも言ったよ」
隣から声がした。
水城真帆だった。
大学の研究室で拓真と同じく機械制御を研究している同級生。
今日は拓真に呼び出されて神代製作所へ来ていた。
真帆はノートパソコンを操作しながら、呆れたように画面を眺めている。
「しかも、その重量まだ装甲材を仮でアルミ合金にしてるでしょ?」
「うん」
「例の甲殻に置き換えたら軽くなるんじゃないの?」
「軽くなる」
「じゃあいいじゃん」
「でも全面に使えるほど量がない」
「それはそうか、」
「それに、まだ強度特性が全部分かったわけじゃないから、安全率をどこまで取ればいいのか分からない」
「なるほど」
「それと」
拓真が画面を切り替える。
数字。
真帆が見る。
「……うわ」
「でしょ?」
「これはますます無理だね」
「即答するなよ」
「だって無理でしょ」
表示されているのは消費電力の予測値だった。
脚部。
腰部。
腕部。
姿勢制御。
各種センサー。
演算装置。
通信機器。
空調。
生命維持。
全部合わせる。
現在、市販品として入手可能な高性能バッテリーを使ったとしても。
「想定だと二十分?」
「最大出力を多用したら、もっと短い」
「十分ちょっと?」
「たぶん」
「鉄のゴミじゃん」
「言い方!」
「だってこれで異世界?行くんでしょ?」
「そのつもり」
「行って十分で電池切れて、百キロ近い鎧着たまま動けなくなるの?」
「……」
「本当の棺桶だね」
「言い方!」
「二回目」
真帆が笑う。
拓真は椅子の背もたれへ身体を預けた。
「問題点は分かってるんだよ」
これこそ。
昔から何度もぶつかってきた壁だった。
人間より強い力を出す外骨格。
作れる。
人間を守る装甲。
作れる。
センサー。
作れる。
姿勢制御。
できる。
飛行装置。
理論上は作れる。
だが。
全部を一つにすると。
必ず同じところへ辿り着く。
「電源が足りない」
「うん」
「電池を増やす」
「重くなる」
「重くなるから出力を上げる」
「もっと電気を使う」
「電池を増やす」
「さらに重くなる」
「……嫌になるな」
「何年同じこと言ってるの?人類の永遠の悩みだし、解決したらノーベル賞貰えるよ」
「かれこれ六年くらい?」
「高校生の頃から言ってるじゃん」
「これでも昔よりはマシになったんだぞ」
「バッテリー性能も上がってるからね」
「でも全然足りない」
拓真はモニターを見る。
画面の中の鎧。
まだ骨格だけ。
顔もない。
装甲も仮。
それでも。
かなり人型になってきた。
「……格好いい」
ぼそり。
「自分でそれ言う?」
「格好いいだろ」
「まだ人体模型に機械つけただけじゃん」
「想像力が足りないなぁ」
「現実を見る係なので」
「夢がないなー」
「夢だけで制御プログラムは動きませんので」
「それもそうですな」
拓真はマウスを動かす。
腕部。
肩。
背中。
「まずは飛行を切る」
「それは当然」
「武装もなし」
「当たり前」
「探索用に絞る」
「それがいい」
最初から理想を全部詰め込む必要はない。
第一目標。
異世界へ入り、生きて帰ってくること。
それだけ。
戦うことさえ、本来は目的ではない。
ただ、あの獣のような生物がいる以上、最低限の防御力は必要になる。
「外骨格は全身」
「うん」
「甲殻は胸と首、前腕、脛を優先」
「頭は?」
「別素材。まだ甲殻を複雑形状に加工できるか分からない」
「ヘルメットどうするの?」
「気密式」
「本気?めっちゃコスパ悪いよ」
「向こうの空気、ドローンで簡易測定しただけだから」
拓真の表情が真面目になる。
「酸素濃度が地球と近くても、安全とは限らない」
「菌とか?」
「菌もあるし、未知の粒子、毒性物質、胞子……考え始めたらいくらでもある」
「よくそれで行きたいと思えるね」
「それとこれは別なんだよ」
「私は理解できない」
「山登りする人に『落ちたら死ぬのになんで登るの?』って聞くようなもんだよ」
「拓真の場合、山の向こうにドラゴンがいるかもしれないんだけど」
「見たいじゃん、ドラゴン」
「やっぱりダメ、理解できない」
真帆がため息をついた。
その時。
「拓真」
作業場の奥から鉄平の声。
「ん?」
「客だ」
「また三枝さん?」
「今度は大学の先生もいる」
「先生?」
拓真が立ち上がった。
◇ ◇ ◇
「君は、本当に何をやっているんだ」
「いやぁ……教授、色々ありまして」
「色々で済ませるな」
神代製作所の応接室。
久世晃一郎は、盛大に眉間を押さえていた。
先端機械工学を専門とする大学教授。
拓真と真帆が所属する研究室の責任者でもある。
そして。
その向かいには三枝。
さらに前回、異世界素材の加工試験に立ち会った相馬直樹もいる。
「水城君までいるのか」
「私は呼ばれただけです」
真帆が即答する。
「拓真に『ちょっと制御系見て』って」
「裏切るの早くない?」
「巻き込まれ事故を防いでるだけ」
「もう手伝ってるよね?」
「まだ犯罪には加担してません」
「俺何も犯罪はしてないから!」
「研究室の設備を私用で――」
「教授、その話は終わったじゃないですか!」
「終わっていない」
久世が睨む。
三枝が小さく咳払いした。
「……本題へ入っても?」
「あ、はい」
「失礼しました」
久世も姿勢を戻した。
三枝がテーブルに数枚の資料を置く。
「今回、久世教授には大学を通じ、正式な研究協力をお願いしています」
拓真が久世を見る。
「先生、知ってたんですか?」
「今日、初めて詳細を聞いた」
「ゲートのことも?」
「聞いた」
「どうでした?」
「何がだ」
「異世界ですよ」
「……」
久世が数秒黙る。
「研究者としては、極めて興味深い」
「ですよね!」
「だが、指導教員としては」
久世の目が拓真の左肩へ向く。
「その極めて興味深い現象へ、学生が勝手に近づいて怪我をしたことについて、非常に腹が立っている」
「勝手というか……」
「神代君」
「はい」
「次は先に相談しろ」
「次?」
拓真の目が輝く。
「次、行っていいんですか?」
「そういう意味ではない!」
真帆が口元を押さえている。
「笑うな、水城君」
「すみません」
三枝も視線を逸らしていた。
「話を戻します」
三枝が資料を指した。
「現在、先日の個体について詳しい解析が進められています」
「狼みたいなやつですね」
「便宜上、我々は《甲殻犬型》と分類しています」
「甲殻犬型……」
「正式な生物名ではありません」
「ですよね」
「そして」
三枝が資料を一枚めくった。
「あなたが気づいた、胸部の反応についてです」
拓真の表情が変わる。
「あれ」
「覚えていますか?」
「もちろん」
獣の死骸。
胸元。
電磁波測定器に現れた異常な反応。
そして回収班の男が口にした。
――核反応あり。
「中に何があったんですか?」
三枝は相馬を見る。
相馬が銀色のケースをテーブルへ置いた。
「実物をお見せします」
「え?」
ロック。
一つ。
二つ。
蓋を開ける。
内部は厚い緩衝材で覆われている。
その中心。
「……宝石?」
真帆が呟いた。
直径。
五センチほど。
暗い赤色。
半透明。
鉱石にも見える。
宝石にも見える。
だが。
形は完全な結晶ではない。
丸みを帯びている。
ところどころに複雑な筋が走っていた。
「これが」
相馬が言う。
「甲殻犬型の胸腔内から回収された物体です」
拓真が身を乗り出す。
「本当に体内に?」
「はい」
「間違えて飲み込んだとかじゃなく?」
「違います」
相馬が画像を表示する。
CT。
獣の胸。
「複数の組織と接続されていました」
「臓器……?」
「現段階では、そう考えています」
「石が臓器?」
「正確には、石に似た何かです」
拓真はケースの中を見る。
「触っていいですか?」
「駄目です」
三枝。
即答。
「ですよね」
「手袋をしても駄目です」
「まだ何も言ってない」
「神代さんの場合は先に言っておいた方がいいかと」
「信用ないなぁ」
「日頃の積み重ねでは?」
真帆が横から言う。
久世は石――核をじっと見ていた。
「組成は?」
「それが」
相馬の顔が少し変わる。
「外殻以上に奇妙です」
資料。
「主成分そのものに未知元素は確認されていません。しかし、測定するたびに一部の値が変動する」
「値?」
「質量ではありません。熱でもない。磁場とも違う」
「電磁波?」
「それに近い反応を既存のセンサーが拾う場合がありますが、再現性がありません」
拓真の眉が寄る。
「じゃあ昨日、俺の測定器が反応したのも」
「恐らく、この物体によるものです」
「エネルギー性を持ってる?」
相馬が拓真を見る。
「なぜそう思います?」
「生体組織につながってたんですよね?」
「はい」
「ただの石を体内で育てる意味がない」
拓真は核を見る。
「それに、あの獣」
思い出す。
巨大な身体。
異常な身体能力。
異様な攻撃性。
「生物として考えると、変なんです」
「どの点が?」
「サイズに対して動きが速すぎた」
拓真が説明を始める。
「筋肉量で説明できる可能性はある。でも、あの体格であの加速を繰り返して、しかも怪我してからも動き続けた」
「興奮状態だった可能性は?」
久世が聞く。
「あります。でも」
拓真は核を指す。
「もしこれが何らかのエネルギー代謝に関係してるなら?」
部屋が静かになる。
相馬が小さく笑った。
「同じ仮説を立てた研究者がいます」
「やっぱり!」
「ただし、証明はできていません」
「十分です」
「何が十分なんだ」
久世が止める。
「仮説は仮説だ。神代君、結論を急ぐな」
「分かってます」
「顔が分かっていない」
「先生まで顔で判断するんですか?」
「付き合いが長いからな」
真帆が吹き出した。
◇ ◇ ◇
数時間後。
拓真たちは大学へ移動していた。
場所は久世研究室が所属する研究棟。
普段なら拓真にとって見慣れた場所。
だが。
今日は一室の前に見知らぬ人間が二人立っている。
「警備までいるの?」
「当然だ」
三枝が答える。
「試料の管理上必要です」
「大学なのにヒーローの秘密基地っぽくなってきたな」
「拓真、そういうの好きそう」
「大好き」
「即答」
一室。
扉を閉じる。
中には測定機器が並んでいた。
「今回は非破壊測定だけです」
三枝が念を押す。
「切るの禁止?」
「禁止です」
「熱するのは?」
「禁止」
「電気流すのは?」
「禁止」
「冷やす――」
「神代さん」
「はい」
「今日は見るだけです」
「……はい」
真帆が笑う。
核は透明な専用容器に入れたまま、測定台へ置かれた。
相馬。
久世。
真帆。
拓真。
複数のセンサー。
「まず温度」
「室温とほぼ同じです」
「磁束密度」
「変化なし」
「放射線」
「背景値」
「電位差」
「なし」
一つずつ。
測る。
何もない。
ただの石。
そう言われてもおかしくない。
「……昨日は確かに反応したんだけどな」
拓真が腕を組む。
「測定器の誤作動?」
真帆が言う。
「可能性はある」
「ゲート周辺だったし」
「それもある」
拓真は容器を見る。
暗赤色の核。
「でも」
何か引っかかる。
「死んでから時間経ってる」
「何が言いたい?」
久世。
「生きてる時と違うんじゃないですか?」
「……」
「これが臓器なら」
拓真は考える。
「心臓だって死んだら止まる」
「つまり、活動状態でなければ反応しない?」
「もしくは」
拓真の視線が核から周囲へ動く。
「何かが足りない」
「何か?」
「分からない」
そこまで言った時。
ピッ。
「……ん?」
小さな音。
真帆が画面を見る。
「今」
「何?」
「センサーにノイズ」
「どれ?」
「三番」
拓真が近づく。
一瞬。
微小な波形。
「何した?」
「何も」
「機械触った人いる?」
全員首を振る。
「もう一回」
「待って」
真帆がログを開く。
「時刻……」
波形。
ほんの一瞬。
通常ノイズと言われればそれまで。
だが。
「何が変わった?」
久世が聞く。
「人の位置?」
「違う」
「照明?」
「違う」
拓真が周囲を見る。
そして。
研究室の窓。
「……窓?」
「窓?」
「いや」
違う。
拓真はスマートフォンを取り出す。
「今、何時?」
「十八時四十二分」
「昨日ゲートが出たのは?」
「午前二時過ぎでしょ」
「関係ないか」
「拓真」
真帆が別画面を見る。
「これ」
「何?」
「大学の屋外環境センサー」
研究棟では別研究のため、気温、気圧、電磁環境などを常時観測している。
「微妙だけど」
真帆がグラフを拡大。
「外の電磁ノイズも同じタイミングで上がってる」
「え?」
拓真が見る。
本当に。
僅か。
だが同期している。
三枝の表情が変わった。
「相馬さん」
「はい」
「境界観測網へ照会を」
拓真が振り返る。
「境界観測網?」
「……」
三枝が止まった。
「今、普通に言いましたよね?」
「忘れてください」
「無理ですよ」
「拓真」
「先生だって気になるでしょ!」
「気になるが、今は邪魔をするな」
「はい」
三枝が端末で連絡を取る。
数十秒。
「……はい」
表情が硬くなる。
「どこです?」
さらに聞く。
「規模は?」
拓真たちは黙る。
三枝が通信を切った。
「三枝さん」
「小規模な境界変動が観測されました」
「ゲート?」
「開口までは確認されていません」
「場所は?」
「言えません」
「でも」
拓真は核を見る。
センサー。
外部ノイズ。
「同じ時間?」
「はい」
部屋が静かになる。
拓真の心臓が速くなる。
「……反応してる」
「断定はできません」
久世がすぐ言う。
「偶然の可能性もある」
「でも調べる価値はある」
「それは同意する」
拓真は再び核を見る。
魔獣の胸から取り出された石。
その石が。
遠く離れた場所で起きたゲート現象と同じ瞬間に。
何らかの反応を示した。
「向こうと」
拓真が呟く。
「つながってる?」
◇ ◇ ◇
その日の夜。
神代製作所。
拓真は一人、設計画面を見ていた。
正確には一人ではない。
「まだやってんの?」
真帆が缶ジュースを持って戻ってきた。
「ありがとう」
「コーヒーにしようかと思ったけど、夜寝なくなるからやめた」
「もう遅い気がする」
「寝なさい」
「あと一時間」
「拓真のお父さんが言ってた通りだ」
「何を?」
「拓真の『あと一時間』は信用するなって」
「情報共有されてる……」
真帆が隣へ座る。
画面には。
鎧。
まだ未完成。
「さっきから何見てるの?」
「消費電力」
「また?」
「うん」
「数字眺めても電池は増えないよ」
「分かってる」
拓真は画面をスクロールする。
外骨格だけなら。
工夫すれば一時間以上。
低出力ならもっと。
しかし。
全身装甲。
環境制御。
高出力動作。
将来的な飛行。
全てを求めると。
現在のバッテリーでは足りない。
「……あの石」
拓真が言った。
「核?」
「うん」
「気になる?」
「めちゃくちゃ」
「知ってた」
拓真は椅子の背へ身体を預ける。
「あの甲殻もすごい」
「うん」
「地球じゃいまは作れない構造してる」
「うん」
「でも」
画面。
バッテリーユニット。
「俺がずっと一番欲しかったのは、強い材料じゃない」
「電源?」
「そう」
子供の頃。
空を飛びたいと思った。
高校生の頃。
自分なりに飛行装置を考えた。
大学に入って。
より現実的な設計ができるようになった。
それでも。
何度やっても。
最後に立ちはだかるものは同じ。
「小さくて」
拓真が呟く。
「軽くて」
画面へ数字を入力する。
「とんでもなくエネルギーを持った何か」
真帆が核の写真を見る。
「……まさか、それがこの石?」
「まだ分からないよ」
「でも期待してるでしょ」
「そりゃ」
拓真は笑った。
「異世界だぞ?」
「だから何?」
「魔法くらいあるかもしれない」
「急にめっちゃオカルト、非科学的」
「異世界そのものが存在した時点で、何があっても一回は調べる価値あるだろ」
「それは……」
真帆が考える。
「否定できないのが嫌」
「でしょ?」
拓真は核の画像を見る。
「もし」
まだ仮説。
根拠もほとんどない。
あの石が何なのか。
分からない。
ただの特殊な臓器かもしれない。
ゲートへ反応したのも偶然かもしれない。
それでも。
「もし、あれが未知のエネルギー源なら」
拓真の視線が。
画面の中の鎧へ移る。
「全部変わる」
駆動時間。
出力。
重量。
そして。
飛行。
ずっと越えられなかった壁。
「人間が空を飛べる」
真帆が横目で見る。
「またそれ?」
「俺にとってはすごい大事なんだよ」
「異世界見つけても、結局そこなんだ」
「そりゃそうだろ」
拓真は笑う。
「ヒーローは飛ばないと」
「それは偏見」
「ビームも欲しい」
「欲張り」
「いつか作る」
「はいはい」
真帆は呆れながらも笑った。
拓真はモニターへ向き直る。
その時。
スマートフォンが鳴った。
メッセージ。
三枝。
「……珍しい」
「何?」
拓真が開く。
短い文章。
『核について追加の反応が確認されました。明日、研究室へ来てください』
「……」
「どうしたの?」
拓真は真帆へ画面を見せた。
「追加の反応?」
「うん」
「何が出たんだろ」
「分からない」
拓真の目が。
また。
輝き始める。
真帆はそれを見て。
「……寝られないやつだ」
「いや、寝るよ」
「本当?」
「たぶん」
「絶対寝ないじゃん」
拓真は笑った。
そして。
まだ骨組みしかない。
モニターの中の《鎧》を見つめた。
地球の科学ではあと一歩。
どうしても届かなかった夢。
その最後の一歩を埋めるものが。
異世界からやって来た怪物の。
胸の中に眠っているのかもしれない。
この時。
神代拓真はまだ知らない。
異世界で《魔石》と呼ばれているその核が。
彼の鎧だけではなく。
地球の科学そのものを。
大きく変える可能性を秘めていることを。




