第4話:魔術科の昼休み、だいたい爆発する
キーンコーンカーンコーン。
昼休み。
その瞬間、
教室の空気が一気にゆるんだ。
「購買急げ!」
「今日こそ呪われてない焼きそばパン!」
「もう諦めろって!」
生徒たちが一斉に飛び出していく。
歩いてるやつが少ない。
飛んでる。
滑ってる。
一人、窓から出ていった。
「危なくない!?」
たろーが叫ぶと、
りんが栄養ゼリーを吸いながら答えた。
「三階だから平気」
⸻
たろーはカバンから、
コンビニのハムカツパンを取り出した。
普通。
安心。
こういうのでいい。
すると。
「それ」
ぬっ、と横から顔が出た。
「うおっ!?」
九条アキラだった。
距離が近い。
「コンビニ?」
「そうだけど」
九条の目が妙にキラキラしていた。
「マジで毎日行くの?」
「毎日はむり!」
「肉まんとか買う?」
「買う」
「うわぁ……」
感動してる。
なんなんだこいつ。
⸻
りんがぼそっと言う。
「九条、一般人文化好きだから」
「そんな趣味ある?」
「“放課後寄り道”に憧れてるらしい」
九条は真顔だった。
「カラオケって本当に歌うだけ?」
「他に何する!」
「採点とかする?」
「詳しいじゃん!」
⸻
そのとき。
ドン!!
教室後ろで爆発。
「またぁ!?」
煙の中心に、
さっきのオレンジ頭の子が立っていた。
机の上には黒い鍋。
ぐつぐつ煮えてる。
「……何それ」
「カレー」
「嘘つけ」
紫色だった。
しかも発光してる。
りんが静かに距離を取る。
「今日のまお
やばいかも」
「昨日より?」
「昨日は煙だけだった」
「比較対象終わってる!」
⸻
まおがスプーンを突っ込む。
その瞬間。
ボゴォン!!
鍋から紫の煙が噴き出した。
警報が鳴る。
ウゥゥゥゥゥン!!
『危険な魔力反応を検知しました』
「昼飯で!?」
教室が一気にパニックになる。
「窓開けろ!」
「結界張れ!」
「息止めろ!」
「カレーでそこまで!?」
⸻
たろーが咳き込む。
「げほっ……!」
すると。
ヒラッ。
たろーの机の横で、
一反もめんが浮かび上がった。
「あ」
一反もめんが、
紫の煙へ突っ込んでいく。
ズゾゾゾゾ……
「吸ってる!?」
教室が静まり返る。
煙が、
どんどん消えていく。
数秒後。
教室の空気が元に戻った。
沈黙。
まおが目を見開く。
「すご」
りんも少し驚いていた。
「毒耐性あるんだ」
「あるの!?」
九条が食いつく。
「なぁ、それ触っていい!?」
「ペットじゃねぇから!」
その瞬間だった。
一反もめんが、
ふらっ、と揺れる。
「あれ?」
ヒラ……
ぽてっ。
床に落ちた。
真っ白だった布が、
うっすら紫になっている。
「え」
たろーが固まる。
「おい」
つんつん。
動かない。
「おい!」
まおの顔が青ざめた。
「……ごめん」




