第2話 魔法使い、高校生になる
「着きました」
車の扉が開く。
巨大なビル。
【東京都魔術管理局】
めちゃくちゃ役所っぽかった。
⸻
会議室。
ホワイトボードには。
【魔法属性ありっぽい一般人の案件】
と書かれていた。
「では会議を始めます」
プロジェクター起動。
浮く自販機。キャッチするたろー。
「「「おぉぉぉ!!」」」
駅前の拍手。
超スロー再生。
「やめて」
老人が資料を見る。
「本人、
完全未覚醒型です」
「一般家庭」
「適性は高い」
「どうします?」
老人、
即答。
「じゃ、まほろば編入で」
「今日から?」
「今から」
「え?」
たろーは、
制服を渡されていた。
車が止まる。
窓の外。
めちゃくちゃデカい門。
その上を、
箒に乗った女子生徒が飛んでいく。
「遅刻遅刻ーー!!」
危ない。
【東京都立まほろば高校魔術科】
文字、
なんか光ってる。
たろー、
まだ現実感がない。
校舎へ入る。
廊下。
普通の高校っぽい。
……と思った瞬間。
窓の外を、
巨大なトロールが歩いていった。
「はい一年静かにー」
教室。
先生が、
たろーを見る。
「転校生ねー」
雑だった。
「じゃ、
伊藤ー。
そこ座ってー」
窓側、一番後ろ。
視線、
めちゃくちゃ集まる。
その途中。
静かに、
ゲーミングチェアが横を通った。
乗っているのは、
小柄な男子。
長いまつ毛。
白い肌。
ふわふわの髪。
ぱっと見、
普通に女の子だった。
スマホを見たまま、
ぼそっと言う。
「自販機」
「え?」
「朝のニュースの人」
チェア、
そのままスーッと通過。
浮いてる。
たろー、
もう突っ込む気力もない。
窓際。
一人の男子が、
机に足を乗せていた。
白い髪。
長い銀色のチェーンピアス。
歩くたび、
シャラ……と小さく鳴る。
眠そうな目。
なのに、
妙に顔だけ良い。
女子がチラチラ見てる。
そいつが、
たろーを見る。
「……へぇ」
興味なさそうに見えて、
めちゃくちゃ見てる。
「マジで普通の家なんだ」
「?」
「もっとこう……
封印された一族の生き残りとかかと思ってた」
そこへ。
さっきのチェア男子。
スマホ見たまま通過。
「九条、
また一般家庭に幻想抱いてる」
「違ぇし」
「中二病まだ治ってない」
「違ぇって!!」
教室の後ろ。
女子たち、
クスクス笑ってる。
たろーは、
一回深呼吸した。
落ち着け。
朝、
お茶を買おうとしただけだ。




