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魔法学校の方士先生  作者: 均極道人
第九章 ライフタリン
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第一百五十二話 魔法学校の陸先生

――そして。


地上では。


陸虚が戻ってきたことに、皆がどよめく。


安堵と驚きが入り混じる中――


「へへっ」


リセルが、にやりと笑った。


「師匠~? 今のあなた、俺より境界低いですよね?」


一歩、近づく。


「じゃあ今回は――俺が師匠を大桶に放り込んで、鍛体してやりますよ」


「どんな感じか、ちゃんと体験してもらわないとですねぇ?」


どこか楽しそうな声音。


だが――


陸虚は何も言わず、ただ静かに微笑んで見つめる。


「……あ」


その視線に、リセルの笑顔が引きつる。


「い、いやその……全部、師匠のためっすよ?」


目を逸らしながら、言い訳を並べる。


「ほら、うちの流派って、そういう流れじゃないですか……」


「……」


陸虚は答えず、ただ皆を一度見渡し――


そして、ゆっくりと空を見上げた。


何かを考えるように。


やがて、ぽつりと呟く。


「……いや」


わずかに口元を上げる。


「今回は――魔法を学ぶのも、悪くないかもしれないな」


一週間後――


新入生で埋め尽くされた講堂は、朝から熱気に包まれていた。


「やっとだよな、陸先生の授業!」


「ずっと楽しみにしてたんだって!」


「ねぇねぇ、噂だとめっちゃ強いらしいよ!?」


あちこちで声が飛び交い、ざわめきは収まる気配がない。


中には――


「……陸先生、絶対イケメンだよね……」


「わかる……♡」


などと、頬を染める女子生徒の姿もあった。


――その頃。


講堂の扉の前に、陸虚は立っていた。


(……賑やかだな)


かつてとは違う。


今の自分は、ただの“普通人”。


それでも――


この空気は、どこか心地よかった。


小さく息を吐き、扉を押し開ける。


――ギィ。


その瞬間。


ざわついていた教室が、一斉に静まり返った。


無数の視線が、彼へと集まる。


陸虚はそのまま歩みを進め、講台の中央へ。


そして――


いつもの癖で、手を軽く上げる。


(……あ)


当然ながら、何も起きない。


一瞬の沈黙。


だが――


「……はは」


小さく笑い、肩をすくめる。


そのままチョークを手に取り、黒板へ向かう。


――カッ、カッ、カッ。


白い線が刻まれていく。


『望月凝神術』


五つの文字を書き終え、振り返る。


そして――


「僕は、陸虚だ」


静かに名乗る。


「今日は――精神力を鍛える秘法を教える」



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