月明かりの下で
ゼロとゼーラは、夜道を歩いていた。月明かりが二人の影を地面に映し出す。町はまだ遠く、夜の静けさが二人を包んでいた。
「ゼロ」
「なんだい?」
「私たちはこれからどうするの?」
ゼロは立ち止まり、空を見上げた。星々が瞬いている。
「まずはライネスに向かう。そこで他のメンバーの行方を追うつもりだ」
「でも、ゼロが言っていたメンバーはいなかったよ?」
「それは不思議だね。彼らがいなくなった理由はまだ分からないけど、きっと何か理由があるはずだ」
ゼロは再び歩き出した。
「それにしても、ゼーラ」
「なに?」
「君は本当に運がいいね。あの聖騎士たちに追われながらも、こうして無事でいられるなんて」
ゼーラは少し照れくさそうに笑った。
「ゼロのおかげだよ。私が一人だったら、きっと捕まっていたと思う」
「いやいや、君が勇敢だったからこそだよ。あの少年を助けるために飛び出した勇気は称賛に値する」
「そんな……」
ゼーラは少し顔を赤らめた。夜風が二人の間を吹き抜ける。
「ねえ、ゼロ」
「なんだい?」
「ゼロはどうして五年前に失踪したの?もし、貴方がいたのなら、この国はまだまともだったかもしれない」
ゼロは足を止め、遠くを見つめた。月明かりが彼の横顔を照らす。
「それは……複雑な話だよ。五年前のあの日、僕は大切な人を失った。その喪失感から逃れるために、僕は姿を消したんだ」
「大切な人……?」
「ああ。彼女は僕の全てだった。彼女がいなくなった世界で、僕は生きる意味を見失ってしまったんだ」
ゼロの声には深い悲しみが滲んでいた。
「でも、今は違う。君のような人に出会えて、また前を向いて歩き出せている」
ゼロはゼーラの方を向き、微笑んだ。
「だからね、ゼーラ。君のことも絶対に守るよ。君が守りたいと思っているものも含めて」
ゼーラは胸が熱くなるのを感じた。彼女の目に涙が浮かぶ。
「ありがとう……ゼロ」
二人は再び歩き出した。夜の道は長く、しかし二人の足取りは確かなものだった。
ここから、主人公パートです。他の話に比べたら文章量が少ないですが、場面ごとに区切ったらこうなりました。




