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その日桜が舞い散りました。  作者: 咲香
第2章 神崎 桜
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19.楓の告白

「お……まえ。それ本気で言ってんのかよ。じゃあ、真麻の言ってたことはどう説明するんだよ」


楓は真っ青になりながらも、一気に話し出す。

その疑問に反抗するかのように、俺も乗り出した。


「真麻は、ちゃんと見たのか? 俺の隣にいたんだよ。……その、高校生くらいの女の子が」


最後の言葉を聞いた瞬間、楓は絶望に満ちた顔で頭を抱えた。


「高校生だと……? 嘘だ。人がいるなんて、そんな……」


先程まで俺の目をみつめていた楓はうつむき、ぶつぶつと何かを言っているようだった。


「なあ楓。お前らが仕事で疲れてて、見間違えたなんてことはないのか? その可能性だって……」


「じゃあ見ろよ」


その言葉を言い終える前に、楓は俺に自分の携帯を渡してきた。

そこには、ある1枚の写真がうつしだされている。


――なんだこれは。


見せられた写真によって、またも俺は石化してしまう。


「真麻から送られてきたものだよ。これでも一緒にいた人がいるなんて言うのか」


――楓の言っていることが頭に入らない。


「……お前なあ。もう真麻を心配させるな。あいつ、蓮のことが気になって仕方ないみたいだ。だから、そんなわけのわからないやつと関わらないでくれ。助けてもらった恩はあるかもしれないけど、お前がおかしくなってしまう」


――関わるな、だと?


「俺から言いたいのはそれだけ。……じゃあな」


全て吐き出したのか、楓は伝票の上に真麻と自分の分のお金を置いて、席を立つ。


「お前が真麻を守れないなら、俺が守るから」


楓は気障な、ヒーローじみた台詞を言い捨てて店から出て行った。


――なにかっこつけてんだよ、あいつ。

――そういえば楓は、昔から真麻のことが大好きだったなあ。

そんなことを思いながら、先程見せられた写真を思い返す。


そこにうつっていたのは、他の誰でもない、俺自身だった。

楽しそうにニコニコ笑いながら、花屋に続く道を歩いている。

その左手には、いくつかの小さなメモが握られていた。


それだけなら、何も問題点などないはずだった。


しかしその事実は、俺のかすかな祈りを打ち砕いた。

隣には、誰もうつっていなかったのだから。

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