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シンキングタイム③

簡単に肉体の限界を超えます

作者です


私の生まれ持ったこの異能は動物……というより人間以外の生物に対する絶対命令権を有している。

空を飛ぶ烏、地を駆け回る猫、海を揺蕩うイルカの他には虫全般も含まれているが微生物や細胞のような私自身が命と認識出来ない存在に対して効力は無く体の細胞の動きを止めて人を殺すなんて無法は出来ない。


今回重宝するのは暑い夏が過ぎて少し増えた蚊や家で見れば震え上がる事間違い無しのG達だ。

奴らの優秀な点はその圧倒的な数にある。

ほら、有名なアニメのキャラも言っていたでしょ?戦いは数だよアニキ!……と。

私に命令された事による副産物である知性の獲得、強化で視界を共有したり……気分悪いな、共有したりして人間の足では探しきれない超広範囲の索敵。

一個一個視界を共有していたら幾ら情報が正確でも時間がかかり過ぎる。


しかし解決策がない事もない。

意識を飛ばして命令した存在全ての視界を同時に見る事だ。

数千、場合によっては数万に登る視界の数々を一気に脳に流し込んだら情報を処理し切れず倒れる可能性もあるがそれは数だけは無駄に多いG達に負担を押し付ける形で解決した。

世界の嫌われものである奴らさえも命と認識している身で勝手だがマジで見た目が無理なのでもう少し数を減らして下さぁぁい!!!


「……しっかし数千のモニターの情報を一気に見てる物なのにそれっぽい動きがないなー。ねねちゃんが死んでないからまだこの街にいるかと思ったんだけど私の勘違いだったかなーー」


スマホのメモにまとめた情報を見る。


「殺人事件という名の通り被害者は全て死亡しているが4件目で逃げた男子中学生1名は無事だった事を考えるとこの街で事件が起きてるのも少し辻褄が合わないような気もするけどその男子中学生は怪我をしていない。

 いや、正確には逃げる途中で転んで負った怪我はあったけど犯人から負わされたけがは無い。法則が確実なら残りの1人を殺し切るまで次の街に行かないはずだけど行っていない。そこに理由を付けるとすれば自身が直接手を下した相手だけ殺し切れれば良いという考えで犯行に及んだと」


これまで数十件という途轍もない数の殺人事件と共に近場に血痕で数字が書かれている。

ねねちゃんの近くに血痕で数字が書かれた紙が落ちていたが殺されていない事から犯人は数字を血痕で書いた後に本格的な犯行に及んでいた事が分かる。

だがしかしねねちゃんより前、ねねちゃんと偶然会い遙達と遊んだ日の殺人事件は通り魔故に血痕で書かれた数字が無かった。

これだけはただの偶然居合わせた通り魔かもしれない可能性が高く犯人を探す上で少しだけノイズになっている。


「快楽殺人に目覚めて主義も目的も無く通り魔した可能性が出て来るから起こって欲しくなかったっ!くそっ!」


苛立ちを発散するように地面を蹴ると土が捲れて舞う。

水気を含んだそれはぺチャッという何だか情け無い音と共に地面に戻る。


「ふぅ……ふぅ……お前がどれだけ人を殺して来たとしても」


過去を思い出す。

無駄に正義に取り憑かれた日々を


「間接的な物も含め背負った罪の数ならお前より遙に上だ。何度でも……何度でも背負って未来を阻む屑を未来への養分に変えてやる」








ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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