嘘やん、言うといてや……出やんなら
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「《新進気鋭・ガウチャート》に《荒巾木・卵》《間に合う滸の水》《上がる最後》《王の形代》…………能力自体は弱くはないけどピーキーさを考えると少しいや、はっきりと弱いんだよなぁ。
難しいし効果を発揮する機会が限定的過ぎて発揮した所で普通に攻めた方が相手の手札事情も考えると良いまである。最大60枚まででデッキ構築が出来るけれもわざわざこれを入れてプレイする気は起きないね〜……こりゃ外れか」
20パックを開けた成果は今言った通りしかない。
レア度も高くイラストの良さによる取引価格も考慮すると決して悪くない。
しかし悪くない程度であり良くは無く更に少し前に《深淵のアルクトレス》という超が幾つも付くほどのレア度を誇るカードを手に入れてしまったが為に感覚が若干麻痺していた。
「私が使うデッキの事考えると爆死だにゃーー、ねねちゃんはどうよ」
「キラキラしたのは2枚出ましたね」
「キラキラ2枚?」
ニョキっとねねちゃんの手元を見る為に体を傾ける。
その手元には言葉通りにキラキラと輝くカードが2枚握られていた。
「お、《神前組局長の意地》に《王の勅令》キャラカードがじゃないのにキャラが全面に出たちょっと珍しいカードだよ。どっちも引くのは凄い運だねぇ」
「《神前組》の男の人とこの《王》様結構カッコいいね」
「おっ興味出て来た感じ?どう?もし良かったら初めて見て!私のカード……ほら!正直爆死で使わないのも可哀想だからもしねねちゃんが欲しいカッコいいカード有ったら上げるよ!更にカードを保護する目的のスリーブってやつも今なら贈呈ぃ!」
「カードを保護?」
「うん、埃が付くのを塞いだり折れ曲がったらしないようにね。あとは例えゲームで使わなくても大好きな絵師さんのカードとかって出て来るもんなのよ。そう言うのはそのまま片付けるかスリーブとかに入れて机に飾ったりしてるからその為に」
「…………推し?ってやつ」
「おや?分かる口?」
「あんまり漫画とかみないからそう言う感覚は分からなかったけど……これは何となく分かったかも?」
「分かっちゃったかーー!w」
親友である遙や高校からの友達である弓達とは仲良くしているが何気にカードゲームで遊ぶという事はした事がない。何もババ抜きやUNOのようなメジャーかつ複数人で遊べるカードゲームはそれなりに遊んでいるが一対一で戦うようなカードゲームは趣味ではないと偶然が重なり遊べていなかった。
それがやっっっと!!校外の友達とカードゲームで遊べる可能性が出て来た!!
嬉しさによる興奮からか身を乗り出して詰め寄り話し掛ける。
「私はさこのカードゲームの人口をもっと増やして国技にしたいんだ!!」
「「「「「んな無茶な」」」」」
密かな野望を初めて口にするとねねちゃんや今の今まで我関せずといた遙達が一切に否定を口にした。
「何で?!」
「カードゲームが国技は流石に無駄では……」
「ぐっ?!!!だけどそのくらいの気持ちではいるよ!このカードゲームで遊ぶ人が増えれば私も沢山遊べる!バトルができる!!金に物を言わせてスカートを捲ってくるようなクソガキを1人残らず勝って泣かせる事も出来る!!!」
「駄目駄目駄目!」
「何が?」
「変に思想傾いてるよ?!」
「?」
「何で理解出来ないの?!」
それはさておき
「まぁ、冗談と言うことにしたとしてさ。このゲームを遊ぶ人が私の周りにはいなくてね〜……ね!人とバトルする為に遊びに行けるのなんて1ヶ月に1回、多くて2回だけで正直不満不満で、だから競技人口を増やして気軽に楽しく遊べるようにしたいんだ」
「青野さん……」
「何より面白いからもっと知って欲しいの」
「陸上より熱入ってるね」
「当たり前でしょ陸上はどこまで行っても趣味の延長線上でしかないの。趣味を逸脱したらそれは楽しめなくなる可能性がある、だから楽しめる範囲に留めておくに限る。
じゃあカードは趣味じゃないのか?って言われると思うから先んじて答えておくね」
手にしていたカードテーブルに置き座り直し向き合う。
「そもそも遊ぶのが目的何だから趣味であるべきだし、だからこそ本気でやれるのよ」
「……………………真剣に楽しむという事ですか」
「大正解!」
「あまり知らなかった青野さんの人柄が少し分かった気がしました」
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