16 新たなる決闘
「もう一度聞きますわ、どう言うお積りかお聞きしていますの。言葉は通じてます?」
赤髪の女生徒は更にハルさんを挑発しています。
ですがこれはいけません。
仮にも自身の傍に居るハルさんに、テルルがその身分関係なしに何も言わないのは彼女が彼女の存在を認めたからなのですから。
平民だろうがそれは変わらないのです。
子供の頃は酷かったですが、今のテルルに選民主義的な思想は存在しません。
テルルが一歩前に出ましたね、これは非常に不味いです。
騎士を目指す私をずっと見て共に育った彼女が理不尽を前に、その行動や言動を許すはずが無いのです。
「テルル!」
――パシッ!
私の叫びは届かず、白い手袋が赤髪の女性に投げ付けられてしまいました。
「え?」
赤髪の女生徒がその手袋を見て驚いていますが、それどころではありません。
事もあろうか、自分に手袋を投げた人物がテルルだと分かり、咄嗟にその手袋を拾わないといけないと思ったのでしょう。
「アリス駄目!!」
黒い髪の女生徒の叫びも虚しく、彼女はその手袋を拾い上げてしまったのです。
「そう、貴女それを拾ったのね。では決闘は本日の放課後としましょう。女性の決闘ですので代役を立てる事を許可します。私が負ければハルさんへの暴言は聞かなかった事に致します。ですが私が勝った場合は貴女はこの学園を即刻立ち去りなさい。では放課後に」
「え?え?」
いまだ何が起こったのか理解が追い付かない様子の赤髪の女生徒。
そこへ白い制服の一人が近づいて来ます。
「王子の婚約者と言えどそれは横暴じゃないですか。公爵令嬢様」
赤髪さんの前に立ちはだかる背の高いツンツンヘアーの青年。
確か王子の取り巻きの一人だったと思いますが……。
「軍務卿の子息がなんの御用?これは私と彼女の問題ですの」
「いえ、関係が無い訳じゃないですよ。彼女の代役は私が勤めますので」
「ほぅ、王子の側近がその婚約者を相手にすると?」
「これは貴方と彼女の問題だったのでは?」
そうです。これはテルルと赤髪さんの決闘であり、代役が誰であろうと問題は無い。
逆に、後々問題にする様な貴族は貴族の品格を問われる事になる。
「そうね、何も問題はありませんわ。でしたら私も代役を立てさせて頂くまでです」
――テルルの視線が私を突き刺します。
ええ、問題ありません。私は彼女の騎士ですから。
私はそのままツンツンヘアー君の前へ進みます。
「代役のアレキサンドロスです。以降お見知りおきを」
私は彼らに軽くお辞儀をし。
「あぁ、お前が何者か知らないがキッチリ沈めてやるよ」
ツンツンヘアー君は凄く私を睨んでいます。
睨んでいますが、後は決闘をするだけなのでこの場の要件はこれで終わったはずです。
ならば昨日から我慢していた事を実行するとしましょう。
私は彼に微笑みかけ。
「これで用件は終わりましたね。今はお昼時、人数は多い方が楽しいですので、皆さんで食事を摂るといたしましょう」
「「「え!?」」」
皆さん興奮している所で驚かれるのも当然でしょう。
しかしですね、決闘は決闘として私は昨夜から何も食べていないのです。
私はさぁさぁと皆を食堂の列に並べます。
決闘とか正直どうでもいいのです!食べたい!食べさせて下さい!あ、今日はステーキですか、最高です!
しかもステーキと言うことはアレがトッピングされているはずです!
私はテルルに今日はステーキですよ、と告げると。
「ステーキが目的じゃないでしょ?」
……私は眼鏡を一度上げ直し、食堂のシェフの所へ急ぎました。
しょうがないじゃないですか。昨夜、保健室で目を覚ました時には寮の食堂は締まっており、朝は朝でハルさんに引き止められ食べる時間も無くなってしまい。これ以上食事が摂れなければ死んでしまいます。しかも!しかもです!みればオレンジにか輝くツヤツヤのあの子が並んでいるではないですか!
――今すぐ食べます!
今日はここまでです。
明日は決闘相手と昼食からです。UPは朝か昼からになると思います。
ブックマークと高評価もお願い申し上げますm(__)m
既に頂いたそこの貴方、誠に有難うございます!
ではピザを食してシャワーさせて頂き他の作品を読みながら寝る事とします。
皆様お休みなさいませ。




