15 動き出す者達
チョークをペンで撃破した事は咎められませんでしたが、あまり目立つ事をすると、テルルに迷惑が掛かる可能性もあります。今後はもう少し自制する様にしましょう。
しかし剣聖勇者でしたっけ。
闘気的には父の上といった感じたのですが、やはり寄る年波には勝てないと言う事ですね。
わかります。
35歳を超えた辺りから年々体力が落ち込んで行き、45を超えたらもう何をしてもどんくさくなっていくのは辛いものです。
カーライル先生も気持ちと身体のバランスが取れなくなっているいのでしょう。
そう考えれば今の若いこの身体が愛おしいとさえ感じてしまいます。
1限2限と授業を受けましたが、頭の吸収力もすこぶる良いですし。転生……悪い事でも無いですね。
今は3限目。
隣を横目で見ると授業に集中するテルル。
彼女を見ていると、同じ家庭教師の元、共に学んだ幼き日々を思い出します。
――確かあれは魔術の教師と剣術の教師が時間を間違え、同時に授業を行った日でしたか。
――――
――
「アレク君!今日は剣術と魔術の先生が同時に来ちゃったって」
「そうなの?じゃ同時に授業受けたらどうだろ」
「同時?」
「剣に魔法を乗せたり出来たら凄いと思わない?」
「それは凄いわ!アレク君凄い事思いつくのね!」
「でも僕は魔法が下手だから、もしそんな事が出来るとしたらテルルの方だろうけどね」
「えへへっ、それじゃ私頑張ってみる!」
――そんな事を言ってたら本当にテルルは見事に剣に魔法を乗せて岩を打ち砕いたんでしたっけ。
あれには本当に驚きました。
結局私は出来ませんでしたが、それが悔しくて素振りの回数を増やしたのもいい思い出です。
「あ、あんまり見られるとしゅ、集中出来ないじゃない」
おっと、少しテルルを見つめ過ぎました。
でも可愛いのは今も変わりませんね。
「可愛いですよテルル」
「!!!!」
っと、思わず心の声が漏れてしまいました。
「ばっ!……馬鹿……ヤロオ」
彼女の手か足が出るとも思いましたが、授業中にそれは無いようです。
それはそうと顔が赤いですね、後で保健室から薬を貰っておきましょう。
――――
――
お昼休みになり薬をもらってから、食堂で合流予定のテルルとハルさんの元へ向かいます。
――ガシャーーン!
食堂へ足を踏み入れたその時、食器が割れる音と共に女生徒の声が響きます。
「貴女みたいな人が近づける相手ではありません!どう言うおつもり!!」
それは赤い髪の女生徒がハルさんの食器を払う瞬間でした。




