夢でしか行けない星
配達の人「なんやねんって!」
にこ「いいから!お願いだから!スマホ取りに行くだけだからぁ!」
配達の人「スマホ取りに行くくらいなら、1人で行けるやん」
にこ「行けないの!」
《ガチャ》
玄関を開けた。
にこ「あれ?」
さっきとは違って静まり返っていた。
玄関を入った横に
不気味そうな部屋があるのを見掛けた。
にこは、シカトだ、シカト!
と思いながら、
配達の人の手を引っ張りながら、
階段を上がろうとした。
その時だった――
「順番が違う。まずはこの部屋に入っていけ」
低い声が、暗い部屋から聞こえた。
配達の人「うわぁ。なんやねん」
にこ「シカトしよう。早く行こう!走ろう!」
《バタバタバタ》
と、階段を駆け上がる2人。
階段を登りきった時だった。
得体の知れない妖怪達が沢山いた。
にこ「どうしよう……」
配達の人「なんやねん、ここ」
にこ「何なんだろう?分からないの。気持ち悪い場所……」
妖怪「気持ち悪い?舐めてやろうか?」
舌が異常に長い妖怪に脅かされた。
にこ「とりあえず、すぐだから!あそこ!見えるでしょ?あのテーブルの上にスマホがあるから」
配達の人「俺は嫌や。帰る」
《バタバタバタ》
階段を逃げるように降りていった。
にこ「えー!どうしよう」
にこはしばらく立ち止まっていたが、
ずっとは居られない。
だけど、スマホは持ち帰りたい気持ちだった。
にこ「ダッシュだ!」
《バタバタバタ》
妖怪達を掻き分けて、スマホを手にした。
そして、すぐに階段へ向かった。
妖怪「おーい」
妖怪「逃げるなー」
にこは、冷や汗を掻きながら玄関まで
ダッシュした。
すぐに扉を開けた。
《ガチャ》
にこ「はぁ。良かったぁ」
そして、道に目を向けた。
にこ「知らない道……お姉も誰もいないし……どうしよう」
トボトボ歩き出した。
下に目線を向けたら、袋飴が落ちていた。
にこは、なんだか不思議な気持ちで、
それを撒いてみた。
撒いた飴玉が、コンクリートになった。
にこ「食べなくて良かったぁ。何ここ!」
にこは、不安だった。
少し歩いていて、気付いた。
人がいない。
夕方のような空だった。
大通りに出た時だった。
にこ「あ!スマホあるじゃん」
にこは、スマホを見ようとした。
だけど――
画面は真っ暗だった。
何をしても真っ暗だった。
にこ「なんでー。どうしよう。」
夜になっていた。
何だか賑やかになっていた――
だけど――
居るのは妖怪だけだった。
にこはパニックになっていた。
走った。
るい「にこー?いつまで寝てんの?」
にこは、ハッとした。
にこ「ゆ、夢?!」
るい「どうしたの?にこ」
にこ「お姉!怖かったぁ!」
にこは、るいに抱きついていた。
るい「どうしたの?にこ?」
心配そうににこを見た。
にこ「怖い夢を見たの。」
るい「そっかぁ……」
にこの頭を、優しく撫でる。
るい「じゃあ、皆で、その話聞くよ。大丈夫。夢だから」
にこは、るい、ヤシロ、URU、リンリンに
怖い夢の話を一生懸命話した。
ヤシロ「それな――
“夢でしか辿り着けない星”だ」
にこ「えっ?」
ヤシロ「多分、妖怪星に行ったんだな」
ヤシロは少し笑っていた。
真実は誰も追求しようとしなかった。




