選んだ余裕
《0202-6》
喧嘩した2人は、このコードを打ち込んで、
カプセルに入っていた。
《プシュー》
カプセルが開いた。
静かな空間。
少し揺れる葉。
《カチッ》
時間が、ゆっくり歪む。
大木「……また来たのか」
ホッホッホと大木は笑っていた。
るい「はい」
にこ「ちょっと聞きたいことがあってさ」
にこ「ねぇ、余裕って何かな?」
葉が、揺れた。
大木「余裕というのはな
“何もしない時間”ではないぞ。
“選べる状態”のことだ」
るい「選べる…?」
大木「怒ることもできる。
受け流すこともできる。
どちらも出来る状態を
「余裕」と呼ぶ」
にこ「……あ!じゃあさ
余裕ないときって…?」
大木「ひとつしか選べん。
怒るしかない。
我慢するしかない」
ホッホッホと大木は笑った。
大木「それはな。
“追い込まれている状態”だ。」
るいが、何故か少しだけ笑った。
るい「……じゃあ今は」
にこ「余裕あるね」
大木「……ああ。
それは、勝っている状態だ」
葉が、やさしく揺れた。
にこ「……そっか」
るい「うん」
2人は、
さっきまでの空気が嘘みたいに、
少しだけ軽くなっていた。
その距離は、
ほんの少しだけ、近くなっていた。
にこ「ねぇ、お姉」
にこは、広がる空間を見つめていた。
にこ「人生ってさ……“今”が積み重なって出来てるんだね」
るいは、少しだけ微笑んだ。
るい「そうだね」




