まだいない未来
コテージは、静かだった。
《ガチャ》
にこが、るいの部屋に来た。
にこ「ねぇねぇ!リンリンと話してたんだけど、3人でちょっと、未来行かない?」
るい「何言ってるの?ダメでしょ」
にこ「大丈夫だよ、少しくらい!」
リンリン「リンリンも未来が気になります!」
るい「あの時、スーパーしか行けなかったから……私も未来は気になるけど……ヤシロさんに怒られるよ?」
にこ「少しくらい大丈夫だって」
3人は、システム室へ
ソーッと向かった。
にこ「URUちゃんに頼んだんだぁ」
システム室には、URUが居た。
URU「未来への時空座標を設定。
移動準備を完了いたしました」
その瞬間――
周囲の景色が、
ゆっくりと光に包まれていった。
次に目を開けたとき――
にこ「わぁ……明るい!」
そこは、 どこか見覚えのある場所なのに――
少しだけ、 “整いすぎている”世界だった。
人の声が――
どこか遠く感じる。
にこ「見て!病院凄い大きくなってる!」
リンリン「入ってみますか?」
るい「えぇー…… 」
にこ「病院なら、人の出入り多いし大丈夫だって」
3人は病院に入ってみることにした。
受付がロボットになっていた。
にこ「URUちゃんから、通信機渡されてるんだ。もう未来来ちゃったし、ヤシロさんに報告してみよ」
にこは、通信機をいじり出した。
にこ「ヤシロさーん!すごいよー!」
にこは、未来の景色をヤシロに見せた。
ヤシロ「ちょ……お前ら!何やってんだ?」
《カチッ》
るい「……今の音、なに?」
未来と時空を繋ぐ扉の横のメーターが
ほんの少しだけ――
“削れるように”動いていた。
にこ「ヤシロさん!先生も……あれはーアンドロイドじゃない?」
リンリン「未来は凄いです!」
ヤシロに、姿を見せて報告した。
ヤシロは、
何かを言いかけて――
黙った。
《カチッ》
3人はメーターが動いていることを知らない。
リンリン「……あれ?」
リンリンがキョロキョロ周りを見渡し始めた。
リンリン「さっきいた人がいないです!看板の色が薄くなっています!」
るい「……減ってる」
にこ「え?」
るい「さっきより……世界が軽い」
にこ「ヤシロさん――」
るい「にこ!もう、やめて!!」
《カチッ》
大きくメーターが動いていた。
景色が一瞬だけ歪んだ。
――まるで、何かが削り取られたようになっていることに3人は気付き始めた。
るい「……これ、報告するたびに……」
リンリン「未来が……削られています」
るい「未来って……決まってないから未来なんだよ、にこ。きっと」
にこ「……やだ!!
こんなの、未来じゃない!!」
にこは、一度通信機を切った。
にこ「URUちゃんに、コテージに戻してもらうように頼む!」
システム室へ通信機を繋いだ。
にこ「URUちゃん!お願い!そっちへ戻して!」
URU「コテージへの時空座標を設定。
移動準備を完了いたしました」
その瞬間――
周囲の景色が、
ゆっくりと光に包まれていった。
ヤシロ「……戻ったか」
るい「知ると、消えるんですね」
にこ「ごめんなさい 」
リンリン「す、すみませんでした」
ヒゲが、しゅんと下がっていた。
ヤシロ「未来ってのはな――
“まだ、決まってないから未来なんだよ”
勝手なことするなよなぁ」




