Cafeライラ
3人はカプセルへと入った。
カプセルの中はどうなっているのかというと……
そこまで複雑そうではなく、るいとにこでも覚えられそうな、比較的シンプルな機能が並んでいた。
タッチパネルのようなものだ。
ヤシロは
《0005-1》
とだけ打ち込んだ。
新幹線よりも遥かに速い。
きっと速すぎて、オーロラのように見えるのだろう。
あっという間だった。
《プシュー》
カプセルが開いた。
本当に、時空の歪みのようだった。
周りには何もない。
2人にとっては不思議なことだった。
「何もない」というのは、一体どういうことなのだろうか?
そう考えていたが、答えは見つからない。
どうやら、この時空の歪みの数々は、
あまり密集して存在している場所ではないのかもしれない。
先ほどのコードは、
住所のようなものなのかもしれない。
などと考えていたら、
目の前に、ウッド調の落ち着いた雰囲気のカフェが
ポツリと空間に存在していた。
[Cafeライラ]
という、
あまり主張の強くない、
本当に落ち着いた雰囲気の看板が掛かっていた。
ヤシロ「よぉ、ライラ!」
ヤシロは親しげに、女性に声を掛けた。
ライラ「あ、ヤシロさん。いらっしゃい」
その声は、 どこか不思議と落ち着く響きをしていた。
落ち着いた雰囲気の見た目で、30代くらいに見える。
だが、この人もきっと宇宙人か何かなのだろう……
何歳なのか分からないな、とにこは考えていた。
るい「ヤシロさん、ご挨拶をしようと思ったのですが、今は何時でしょうか?」
ヤシロ「基本的には、“何時”とかはないんだ。ここは歪みだからね」
と、笑った。
また2人は、頭がハテナでいっぱいになった。
ヤシロ「まぁ、それはいいよ!何か飲んで食べようか」
にこ「スフレパンケーキがいい!!」
にこは言われる前に、もうメニューを広げていた。
るい「えっと……私は、何かサラダが食べたいな」
ライラ「オーロラサラダはどうかな?」
と、ライラは優しく微笑みかけた。
るい「じゃあ、それでお願いします」
ヤシロ「僕は、いつものカレーで」
ヤシロは続けた。
ヤシロ「何か飲む?」
るい「えーっと……」
にこ「星のジュース!!」
にこは、もう決めていた。
るい「じゃあ、私もそれで」
るいは、別のことを考えていた。
ライラをひと目見た時から、何か奥深さと優しさを感じていて、そして、どこか親近感さえ覚えていた。
――不思議だなぁ、と感じていたのである。
ライラ「かしこまりました」
ライラは、店の奥のキッチンへ消えていった。
1人で営業しているのだろうか?
にこ「楽しみだなー」
るい「うん」
オーダーしたものを待つ間、
ヤシロがいかにモテてきたか、などといった
くだらない武勇伝を聞かされていて、
2人はしばし目的を忘れたひとときを過ごしていた。
ライラ「お待たせしました」
星のジュースは、
☆の形をした大きめで厚みのあるガラス瓶のような容器に、くるんとしたストローが刺さっている、トロピカルジュースだった。
オーロラサラダは、
人参やチーズ、ハムが☆の形をしていて、可愛らしい。
オーロラドレッシングが、とても美味しそうだ。
るい「美味しいです!」
るいは、サラダが好きだったので嬉しかった。
スフレパンケーキも、ふわふわである。
にこは甘党だった。
にこ「ふっわふわ!」
2人は満足していた。
――ただ、ヤシロが不思議なことを言った。
ヤシロ「ライラ! 何か情報は?」
ライラ「少しあるわ」
と、穏やかな口調で言った。
2人の手が止まった。
るいとにこは、 顔を見合わせた。
――“情報”?




