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きろく星―優しい記録
《カチッ》
ヤシロ「……」
女性「また遅刻でしょ?」
ヤシロ「うるさいなぁ」
女性の優しい声がした。
女性「……ちゃんと帰ってきなさいよ」
ヤシロ「命令か?」
女性「お願い」
――その声が、
わずかに遠ざかった。
《カチッ》
水面が、やわらかく揺れた。
マミー「リンリン、ランラン!
起きなさーい!」
リンリン「マミーおはようございます」
ランラン「リンリン、かくれんぼしよー!」
リンリン「またですかぁ?」
ランラン「いいの!リンリン、見つけるの遅いんだから!」
リンリン「そんなことないですよぉ!」
マミー「ふふ……みんなでいる時間が、一番大事なのよ」
リンリン「はい!」
やわらかな笑い声が、
あたりに広がった。
その時間は、とてもあたたかくて――
どこか、遠いもののように感じられた。
《カチッ》
水面の揺れが、静かに消えていった。
リンリン「元気にしてますかね……マミーとランランは……」
ヒゲが、ゆっくりと下がった。




