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きろく星―記録のズレ
《キィー、ドーンッ!》
とても大きな音だった。
水面が、激しく揺れた。
《カチッ》
るい「え……今……のは?」
にこ「え……お父さんとお母さん?」
るい「まさか……ね?」
にこ「うん……」
――でも。
その“まさか”は、
どこか現実味を帯びていた。
《カチッ》
るい「……お父さんとお母さんって……
殺された、んだよね?」
《カチッ》
にこ「……うん」
るい「でも……
今の、何か違った……」
《カチッ》
ヤシロ「違った……のかもな」
その言葉は、静かに沈んでいった。
誰も、続けて言葉を出せなかった。
《カチッ》
水面に映る光が、
わずかに揺れる。
るいは、ぼんやりとそれを見つめていた。
るい「……これ、本当なのかな?」
にこ「え?」
るい「記録って……
全部が正しいわけじゃない気がする」
るいは、ゆっくりと空を見上げた。
るい「地球の月ってさ……」
にこ「え?」
るい「太陽に照らされてるだけなのに――
ちゃんと、誰かを照らしてるよね。
……私、月もちゃんと好きだよ」




