前進のパーツ
翌朝――
《チュン、チュン》
またたび星のやさしい朝の光が、
窓から差し込んでいた。
リンリンは、
昨夜もらった小さなガラス瓶を
そっと見つめていた。
リンリン「……よし!リンリン頑張ります!」
ヒゲが、ぴんと上を向いた。
リンリン「皆さん!推進ヒレを買いに、市場にご一緒していただけますか?」
るい「もちろん!」
にこ「当たり前じゃーん!」
ヤシロ「じゃらし市場に行くかぁ」
にこ「じゃらし市場?」
リンリン「またたび星で1番大きな市場です」
るい「行こう」
外を歩いていると、
《テクテク》
マタビアンたちが行き来している。
ヒゲが、楽しそうに揺れていた。
空中にはお魚型の宇宙船が
ふわふわとたくさん浮かんでいた。
《ワイワイ、ザワザワ》
じゃらし市場に到着すると、
にぎやかな声と、不思議な音が
あちこちから聞こえてきた。
地面には、
色トリドリのヒレや、
キラキラ光るパーツが
ずらりと並んでいた。
マタビアンたちのヒゲが、
楽しさを表している。
にこ「わあー!すごーい!」
るい「まるで、お祭りみたいだね」
リンリン「ここが、じゃらし市場です」
ヤシロ「さて……推進ヒレを扱ってる店はどこだ?」
リンリン「あちらです!」
リンリンが指さした先には――
ひときわ大きなヒレの看板が揺れていた。
店主「リンリンではないか。久しぶりだね」
おじいちゃんマタビアンだった。
リンリン「お久しぶりです。あの……推進ヒレが壊れてしまいまして……何ピースで買えますか?」
店主「リンリン。噂で聞いていたよ。よく戻ってきた。君の勇気を買ってあげるから、ピースはいらないよ」
リンリン「えっ…??」
店主「勇気を出して、この星に戻ってきたんだろう?立派になったよ、リンリン」
店主は、
やさしくヒゲを揺らしながら、
棚の奥から、
ひとつの推進ヒレを取り出した。
店主「これは、最新型の推進ヒレだ。
長い旅にも耐えられる、丈夫なやつさ」
リンリン「……いいんでしょうか??」
店主「気持ちだよ」
リンリン「ありがとうございます!」
ヒゲが、ぴんと上を向いた。
にこ「やったね!リンリン!」
るい「これで、また進めるね」
ヤシロ「よし。コテージに帰って修理だな」




