優しいおかゆ
《コトコト》
小さな音が、
キッチンから聞こえていた。
まだ時間は、静かだった。
外の湖は静かで、
コテージの中も――
本来なら、静まり返っている時間だった。
しかしURUだけは違った。
URU「水分量……適正。
塩分濃度……調整中」
るい「おはようURUちゃん!
頭痛い……飲みすぎちゃったな。
あれ?梅がゆ?」
URU「おはようございます。るい様」
サカキは、すでに起きていた。
サカキ「……あなた、
どうして“梅がゆ”を選んだの?」
URU「アルコール摂取後の体調回復に
最適なメニューと判断しました」
サカキ「……本当に、それだけかしら?」
にこ「おはよぉ!眠い。頭痛い!」
URU「おはようございます。にこ様。
朝食に梅がゆをご用意いたしました」
にこ「ここってさ、朝とか夜とかないのに、
朝食はちゃんとあるよね。不思議ー」
URU「生活リズム維持のため、
便宜上の名称を使用しております」
サカキ「この場所には朝はないわね。
けれど、人は“目覚めた後の食事”を
朝食と呼びたくなるものよ」
リンリン「皆さん。おはようございます!」
リンリンが、
《テクテク》
いつも通り歩いてきた。
ヤシロ「あー眠い」
やはり、ヤシロは早起きが苦手のようだ。
いちばん最後に起きてきた。
URU「皆様。
梅がゆの温度、適温です」
《コトン》
それぞれの前に、
湯気の立つ椀が静かに置かれた。
にこ「わぁー!シンプルに美味しそう!」
るい「なんだか、
URUちゃんの優しさが伝わる……」
るいは、
そっと椀を両手で持った。
《ふぅ……》
一口、ゆっくり口に運ぶ。
るい「やっぱり……優しい味」
URU「皆様の体調回復を確認。
本日の業務、正常に進行中です」
そう言いながら、
URUは静かに、
皆の様子を見守っているようだった。




