同じ味のミライ
《キラリッ》
るいの手の中の貝殻が、
強く光った。
ヤシロ「どうやら、
行き先は決まったみたいだな。
未来へ行くかぁ」
システム室に移動した。
URU「未来への時空座標を設定。
移動準備を完了いたしました」
《キラリッ》
るいの手の中の貝殻が、
さらに強く光った。
るい「……お願い」
その瞬間――
周囲の景色が、
ゆっくりと光に包まれていった。
次に目を開けたとき――
にこ「ねえ、お姉……」
にこは、
指をさした。
そこには――
昔、お母さんと
よく来ていたスーパーが、
見たことのないほど大きくなって
キラキラして建っていた。
看板の文字が、
やさしく光っていた。
にこ「入ってみようよ!」
自動ドアが、
音もなく、
すーっと開いた。
「イラッシャイマセ」
ロボットの店員さんだ!
ロボット店員は、
ゆっくりと頭を下げた。
ロボット店員「ゴキゲンハ
イカガデスカ」
にこ「すごーい!
しゃべってる!」
るい「でも前は人だったよね」
にこ「いいじゃん!楽しいじゃん!」
ロボット店員「オカイモノノ
オテツダイヲ
イタシマス」
カートが
《ふわふわユラユラ》
と、近づいてきた。
るい「あ……」
そこには、
昔、お母さんが
よく買ってくれていたお菓子が並んでいた。
るい「でも……なんか」
同じはずなのに、
少しだけ遠くなった気がした。
にこ「パッケージ変わっちゃってるね!!
キラッキラだぁぁ」
ロボット店員「ソノオカシハ
オモイデノアジヲ
サイゲンシテオリマス」
るいは迷わずに、
「それをください!」
と言った。
ヤシロが言った。
ヤシロ「ここは、ピースで払えるのかぁ?」
ロボット店員「ハラエマス
ワタシノクチ二
200ピースオイレクダサイ」
るい「えっ……にこ、やってよ」
にこ「お姉、怖がってんのぉ?しょうがないなぁ」
ヤシロはクスッとしていた。
にこは、
ポケットから
△のコインを取り出した。
にこ「ほらほら~」
にこは、
ロボット店員の口の中に、
コインを入れた。
《カチン》
ロボット店員
「200ピース
カクニンイタシマシタ
アリガトウゴザイマシタ」
にこ「あれ?そういえばランランは?」
ヤシロ「自分の宇宙船の修理をするのに、コテージに残ってるよ」
るいは、
そっと袋を開けた。
《パリッ》
懐かしい香りが、
ふわりと広がった。
るい「……同じ味だ」
にこ「ずるい!私も!」
《パリッ》
にこ「同じだね、お姉」
2人は微笑んだ。
ヤシロ「その味、
あいつにも食わせてやりたいな」
にこ「リンリンにもあげよう。またたび茶のおかえしだね」
ヤシロ「で?
お菓子は買えたが――」
ヤシロは、
るいの手元を見た。
ヤシロ「本題は、そっちだろ?」
るい「だけど……」
るいは、
手紙をそっと握りしめた。
るい「いいです!また来れば!!リンリンにあげたい!」
ヤシロは、
ニコッと笑った。
ヤシロ「……そうかぁ!!」




