湖からきた仲間
るいたちは、湖のほとりに立っていた。
そのとき――
湖面が、
ゆっくりと揺れた。
にこ「……あれ?」
小さな波紋が、
中央から広がっていく。
ヤシロ「……来るみたいだ」
次の瞬間――
湖の中から、
何かが浮かび上がってきた。
るいは、目を見開いた。
それは――
お魚の形をした、小さな宇宙船だった。
にこ「あれ!リンリンの宇宙船だ!」
ヤシロ「……繋がってるみたいだな。
湖と湖が。」
るいたちは、
ゆっくりと宇宙船に近づいた。
小さな窓の向こうに――
人影が、見えた。
にこ「……いた!!」
るいは、
思わず息を止めた。
そのとき――
宇宙船の扉が、
静かに開いた。
そして――
一人のマタビアンの少女が、
ゆっくりと姿を現した。
にこ「……あなたが、
リンリン?」
リンリン「どちら様ですか?ここは一体どこでしょうか?」
るい「大丈夫です。
私たちは、あなたを探しに
またたび星に行ったんです。
でも――
気がついたら、
ここで出会っていたんです。」
にこ「リンリンは、子供なのかな?」
リンリン「500年ほど生きています。
またたび星では、まだ若い方でございます」
にこ「ごひゃく!?」
ヤシロ「……またたび星じゃ、
まだ若い方かもな」
にこ「じゃあ、
まだ赤ちゃんみたいなものなの!?」
リンリン「成人しております」
るい「リンリンちゃん。
湖で、何が起きたのか
覚えている?」
リンリン「リンリンと呼んでください」
そう言って、無邪気に笑った。
リンリンは続けた。
リンリン「あまり覚えていなくて……
気付いたらここにいました」
リンリンのヒゲがシュンと下がってしまった。
ヤシロ「……しばらく、
僕たちと一緒に来るか?」
リンリン「はい。
優しさを失いかけていましたので……
ぜひ、ご一緒させてください」
優しさの星で生まれ、
優しさを失いかけた
二足歩行のマタビアンが、
仲間に加わった瞬間だった。




