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ゆきしずく星の番人
氷の部族「……またか」
低く、凍りつくような声だった。
氷の部族「サカキ……」
氷の部族「また、新しい悲しみを
この星に持ち込む気か?!」
サカキは、
何も言わなかった。
ただ、
静かに目を伏せた。
雪が、激しく吹雪いた。
そのとき――
《ピピッ……ピピッ……》
転送交信石が、コテージで反応していた。
転送交信石「危険度上昇。
戦闘発生確率、規定値を超過」
サカキとヤシロが身につけている
宇宙時空委員会専用のデジタルウォッチ型通信機が
反応し始めた。
にこ「えっ?」
ガロ「待て、まだ――」
転送交信石「安全確保のため、
緊急転送を実行します」
るい「ちょっと待って」
次の瞬間――
世界が、白く弾けた。
気がつくと、
暖炉の火が静かに揺れていた。
にこ「……ここ、コテージ?」
ヤシロ「……強制帰還だ」
サカキ「そうらしいわね」
るい「話が最後まで聞けていないのに…」
サカキは、
静かに2人を見た。
サカキ「聞けなかったのではないわ。
聞く前に、守られたのよ」
にこ「……守られたって、誰に?」
るい「転送交信石が、判断したってこと?」
ヤシロ「そういうことだ。
まぁ、何かURUに食事を用意してもらうかぁ」
暖炉の火が、
パチリと小さく音を立てた。
さっきまでの吹雪が、
嘘のようだった。




