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宇宙時空委員会特別指令~復讐姉妹~  作者:
想念銀河編

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27/55

いかずち星の想雷(そうらい)

次の瞬間――

《ドォォォン!!》

今までで一番大きな想雷が落ちた。

大地が、震えた。


るいの胸が、強く脈打った。

るい「……この怒り」


にこ「え?」


るいは、小さく呟いた。

るい「守ろうとしてるよ」


ヤシロが、はっとしたように顔を上げた。

ヤシロ「……守る?」


るいは、空を見上げたまま頷いた。

るい「うん。

この怒り――

誰かを、守ろうとしてる」


ヤシロの表情が、ゆっくりと変わった。

ヤシロ「まさか……」


その瞬間――

空を走った雷が、

一瞬だけ形を変えた。

それはまるで――

両腕を広げて、何かを守ろうとしている影

のようだった。


にこ「お姉……今の、見えた?」


るい「うん……」


2人は、息を呑んだまま、

赤い空を見上げていた。


そして――

2人は口を揃えて、

「お父さんだ…」

と、言った。


ヤシロが目を大きく見開いて

ヤシロ「……何か、見えているのか?」

と、言った。


にこ「え?」


ヤシロは、ゆっくりと言った。

ヤシロ「想念は――

誰にでも見えるものじゃない」


雷が、低く鳴った。


ヤシロ「血の繋がりがある者だけが、

その想いを、視ることができる」


ヤシロは、2人をじっと見つめた。


ヤシロ「特に――

家族を守ろうとした想いは、

血を呼ぶんだ。

まぁ、僕は戦いには慣れているけどな」


ヤシロは、

この雷鳴には似つかわしくないほど、

軽く笑ってみせた。


――その時だった。


《パチン》

小さな雷が、

ヤシロの頭のすぐ上で、

指を鳴らしたような音を立てた。

ヤシロ「……」


にこ「今の、絶対ツッコミだよね」


るい「うん。

ちょっと怒られてる感じだね」


ヤシロは、ゆっくりと空を見上げた。

ヤシロ「……この星は、

本当に気が抜けないなぁ」


――その時だった。

《フワフワ》と。

3人の前に、

小さな光の粒が現れた。


にこ「え……?」


光は、

まるで迷子のように…

ふよふよと宙を漂っていた。


るい「何でかな?……怖くないね」


その光は、

ゆっくりと近づき、

3人の周りを、くるりと一周した。

そして――

《パチッ》

小さな雷の音とともに、

空へ帰るように消えていった。


にこ「……なんか、

あいさつされた気がする」


ヤシロは、小さく息を吐いた。


ヤシロ「この星はな……

誰も住んではいない。

だが――」


ヤシロは、周囲を見渡した。

ヤシロ「想いだけは、

まだ残っている…そういう星なんだ」


ヤシロ「さて…さっきのお客さんは誰だったんだろうなぁ?」


――その時だった。

サカキ「その答えは、私も知りたいところね」

静かな声が、背後から響いた。


3人は、ハッとして振り向いた。


そこには――

黒いコートをまとった、

久しぶりに会うサカキの姿があった。


風もないのに、

その髪だけが、静かに揺れている。


ヤシロの表情が、わずかに引き締まった。


ヤシロ「……サカキさん」


女性は、まっすぐに3人を見つめた。


サカキ「報告がないのよ、ヤシロ!だから、聞きに来たわ。それと――」


サカキは、赤い空を見上げた。


サカキ「この星が、

少し騒がしくなっているようだから」


その時――

空の奥で、

小さな光が、

もう一度だけ瞬いた。


るいは、胸に手を当てた。

るい「……大丈夫」


にこ「え?」


るいは、静かに微笑んだ。


るい「お父さんが、

ちゃんと守ってくれてる」


空で、

《ゴロ……》

と、優しい雷が鳴った。


それはまるで――

「行っておいで」

と、背中を押してくれているようだった。


その怒りは、

守りでもあった。


サカキは、静かに頷いた。

サカキ「ええ。

なら――次へ進みましょう」

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