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優しい出汁
《1212-5》
行き先は
――コテージだった。
るい「お父さんは……もういないんだよね」
静かな夜だった。
コテージの明かりだけが、部屋を照らしていた。
珍しく、にこは、しばらく黙っていた。
にこ「うん……
それは分かってる」
少しだけ、声が震えていた。
にこ「でもさ!」
にこは、まっすぐ前を見た。
にこ「どうして亡くなったのか、
ちゃんと知りたい!」
るいは、ゆっくりとうなずいた。
るい「私も……
逃げたくない!」
ヤシロは、2人を静かに見つめていた。
ヤシロ「真実は、
優しいとは限らない」
少し間を置いて、続けた。
ヤシロ「それでも――
進むしかない時もあるなぁ」
にこ「うん」
るい「はい」
ヤシロは、小さくうなずいた。
ヤシロ「ならば、とりあえずゆっくり寝な。起きたら、宇宙へ出発しよう」
URU「夕食が出来ました」
何故か――
心に染みるような、
優しい出汁の効いたうどんを、
URUは夕食に選んでいた。




