ネオン街への手がかり
るいは、荒くなった呼吸を整えようとした。
胸が、ドクドクと音を立てている。
にこも同じだった。
ヤシロが、静かに2人を見つめていた。
ヤシロ「……何を見た?」
にこは、まだ息を整えきれないまま、
小さくつぶやいた。
にこ「……お父さんが……」
るいも、ゆっくりとうなずいた。
るい「時空警察……って、言ってた」
部屋の中に、しばらく沈黙が落ちた。
ヤシロは、目を細めたまま、静かに言った。
ヤシロ「そうか……そこまで見たんだな」
にこ「ねぇ、ヤシロさん……」
にこは、不安そうな顔で問いかけた。
にこ「お母さん……
私たちのこと、見えていた気がしたんだよね」
ヤシロの表情が、ほんの一瞬だけ変わった。
ヤシロ「……気のせい、とは言い切れないな」
るいとにこは、思わず顔を見合わせた。
ヤシロは、静かに続けた。
ヤシロ「記憶というのは、
ただの映像じゃない」
少し間を置く。
ヤシロ「強い想いや、深い絆は――
時を越えて届くことがあるんだ」
るいは、しばらく黙っていた。
胸の奥に残る、あの朝の光景。
そして――父の確信をついた言葉。
「時空警察の一員だと。」
その瞬間。
るいの頭の中に、
ある言葉がふっと浮かんだ。
るい「……ネオン街」
にこが、はっと顔を上げた。
にこ「え……?」
るいは、ゆっくりとヤシロを見た。
るい「前に……ライラさんが言ってましたよね?お父さんが、ネオン街に出入りしてたって」
部屋の空気が、静かに変わった。
ヤシロの表情が、少しだけ引き締まる。
ヤシロ「……あぁ」
短い返事だった。
にこ「じゃあ……」
にこは、小さく息をのんだ。
にこ「何か分かるかもしれないよね?」
ヤシロは、ゆっくりとうなずいた。
ヤシロ「ライラが言っていたように、その可能性は高い」
少し間を置く。
ヤシロ「ネオン街は――
時空の歪みの中でも、
情報と人が集まる場所だからな。
そして――
危険も、同じだけ集まる」




