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モウモウちゃん
るい「まだ持ってたんだ……」
にこ「うん……」
何気なく、にこが
抱きしめているぬいぐるみを見て、
るいは微笑んでいた。
子どもの頃に、お父さんに買ってもらった
牛のぬいぐるみをずっと大切に持っている。
辛い日には――
にこは、そのぬいぐるみを抱きしめる。
周りの人には「古いぬいぐるみだね」としか
言われなかった。
にこは、いつも言い返していた。
にこ「大丈夫だよ。って言ってくれている気がするんだって!」
――そんな存在。
そのぬいぐるみは魔法を使うわけでも、
話すわけでもない。
何か特別な力を持つぬいぐるみではない。
でも、抱きしめるたびに、
大切な思い出が心の中によみがえった。
少しだけ前を向く力をくれる。
にこが感じている気持ちも、
いつも、ソッと優しく包んでくれる。
だから、今日までずっと抱きしめてきた。
想いは消えない――。
るい「この子は、ずっと、にこのそばにいてくれたんだね。」
――るいは、優しく微笑んだ。
――にこは、それだけで十分だった。




