不思議な気持ちのオーロラライス
「ただいまー」
コテージは、ふわりと
優しい湯気の匂いが漂っていた。
URU「おかえりなさいませ、皆様」
キッチンではURUが炊飯器の蓋を開けている。
URU「宇宙宅配便が届いていました。オーロラライスです」
炊き上がった米粒は、
星明かりのように淡く光っていた。
るい「……お米が光ってる!」
にこは笑いながらしゃもじを手に取った。
にこ「みんなで食べよう!」
URU「お米を味わえるように、お漬物をご用意しました」
テーブルを囲み、
湯気の立つオーロラライスを口に運んだ。
すると――
粒の中に閉じ込められていた
小さな光がゆっくりと宙へ浮かび上がっていく。
URU「思い出が、少しだけ見えるみたいです」
静かに、そう説明した。
疲れた日には優しい色に――。
嬉しい日には温かな色に――。
寂しい日には、誰かを思い出す色に――。
URU「それから、皆様がお出掛けの間に、宇宙宅配便がまだ届いておりまして……」
《ドサッ》
テーブルに宅配物が並んだ。
ルミニャ姫から――
またたび星の香辛料。
夢見星の羽根の持ち主、差出人は不明――
夢見星のハーブ。
URU「このハーブは、差出人不明ですが、私のみ把握しております。あくまで、差出人に記載がない為、皆様にお伝えすることは不可能です」
にこ「えっ!なんでよ?何でURUちゃんだけは知ってるのっ?教えてよぉ」
URU「ルールには従うべきかと思います」
ヤシロ「アハハ!まぁURUらしいな。仕方ないから、諦めろぉ」
にこ「えー!!」
リンリン「それにしても、このオーロラライス、とても不思議で美味しいですねぇ」
るい「このお米は誰からなの?」
URU「ミラ様とライラ様のお母様からです」
るいの手が止まった。
にこの箸も、静かにテーブルの上に置かれる。
るい・にこ「えっ……?」
るい「つまり……会ったことのない、もう1人のおばあちゃん?」
URU「ご存命でございます」
にこ「えー!!初耳だよ?ねぇ……お姉?」
るい「う、うん。そういえば、何故だか、お母さんから、お母さんの家族の話聞いたことなかったよね……」
にこ「うん!だから、ライラさんのことも知らなかったもんね」
るい「私達には、まだ会ったことのない家族がいるんだね」
るいとにこは、なんだか少し嬉しい気持ちと、複雑な気持ちが交差し、同じタイミングで、オーロラライスとお漬物を口に運んでいた。
リンリン「ルミニャ姫からの香辛料は何でしょうか?」
《ガサゴソ》
リンリンが紙袋を開けると、
こんがりした匂いがコテージに広がった。
リンリン「これは……!マタビアンの大好きなまたたびスパイスですぅ!凄いんですよ!何にでも合いますから」
リンリンのひげがピンと上がっていた。
しかし――
るいとにこは、少し上の空。
ハッとしたように、
るい「よ、良かったね。リンリン」
にこ「う、うん」
と、また、同じタイミングで
オーロラライスを口に運んでいた。
リンリン「またたびスパイスで、リンリンが、皆さんが元気になる料理を明日作ります!」
リンリンは、多くは語らず――
気持ちは理解していた。
ヤシロ「一丁前に、仲間だなぁ」
ヤシロは笑っていた。




