かつての旅人
《ゴォーガタガタッ》
地響きがして皆、目を覚ました。
にこ「え?なになに?火夜さーん!!」
部屋のドアから顔を出して、
にこは火夜を呼んだ。
火夜「はいはい。日が昇った火山の挨拶のようなものさねぇ。よく眠れましたかねぇ?」
るい「はい。ぐっすり眠れました」
リンリン「……」
ヤシロ「あれ?リンリンは、まだ寝てるぞっ」
にこ「疲れてるんじゃない?はしゃいでたからねぇ。たくさん食べたし満足してるんだよ」
クスクス笑いながら
リンリンを見つめるにこ。
火夜「朝食ご用意しましょうかねぇ」
ヤシロ「いや……大丈夫です。リンリンを起こしたらここを発ちます」
火夜「そうですかねぇ。旅人さんは忙しいものですねぇ」
にこ「リンリーン!みんな起きてるよー!」
リンリンを揺さぶる。
リンリン「……お、おはようございますぅ 」
るい「目覚めたぁ?」
リンリン「疲れていたんでしょうか……温泉にも入って、美味しいご飯を食べて、すっかりゆっくり寝ていましたぁ」
ヤシロ「来て良かったなぁ」
リンリン「はいっ!」
るい「ヤシロさん……おばあちゃ…… 」
ヤシロが話を遮った。
ヤシロ「分かってる」
るい「えっ?」
ヤシロ「気持ちはよく分かってるつもりだ。頼子さんは、きっと、何か考えがあるのだと、僕は思っているんだ」
にこ「考え?」
ヤシロ「サカキさんや僕に会わせて、復讐する旅をさせてる目的みたいなものが、きっとあるんじゃないか……って……僕は思ったんだ。それに……ほら……色々なものが見えてきて変わってきただろ?」
るい「それは凄く感じています。UNKNOWN SIGNALって、何かおばあちゃんに関係がありそうにも私は感じています」
ヤシロ「だよなぁ?」
にこ「でもさ、おばあちゃんに地球に戻った時に会ったじゃない?私たちさ。あの時も確か、転送交信石に戻されたんだ。って、何でおばあちゃんは分かってたんだろうね?」
るい「記憶の時間と、現実の時間が同じ速さとは限らない。とも言ってたような……」
火夜「おばあちゃんって、どんな方ですかいねぇ?」
にこが持っていた家族写真を見せた。
火夜「この人……!!確か昔、もっと若い頃かいねぇ……転送交信石について詳しく知りたい。ってこの街に、あなた達と同じように来てたねぇ……」
るい「1人でしたか?」
火夜「いや、なんだかこの星に似合う、熱そうな女性と一緒だったねぇ……」
ヤシロ「サカキさんだ!……僕も知らないことを、きっとサカキさんは知っていて、頼子さんも何か知っているんだ……」
るい「何か隠しているのか……それとも、気づかせたいんですかね??」
ヤシロ「どうなんだろうなぁ?任務を全うしてるだけだからな、僕は……」
《カチッ》
皆が――
少し黙っていた。




