火曜街
ヤシロ「息石星、最大の街に行くか」
リンリン「最大ですかぁ?」
ヤシロ「あぁ。火曜街だ」
にこ「火曜街?今日火曜日だっけ?」
ヤシロ「曜日じゃないぞ」
ヤシロは笑っていた。
火曜街――。
火山に囲まれた、鉱石職人がとても多い、
転送交信石を磨く工房が並び、
温泉が沢山ある。
夜になると溶岩の赤い光で街が照らされる
神秘的な街。
ヤシロ「温泉もあるぞ!」
リンリン「温泉ですかぁ?」
リンリンのひげがシュッと上がった。
るい「なんだか……この星に来てから、凄く暑い!」
にこ「暑いよねぇ、ファイヤーって感じ!」
ヤシロ「さっき火曜日だっけ?って言ったな?ここはずっと火曜日みたいな街だ」
にこ「何で?」
ヤシロ「火山の活動周期が7日で、毎回、火曜日にあたる日に鉱石が採れるらしい。」
住民の子供「それに、昔からずっと火曜日みたいな街だからだよー!」
るい「えっ……?」
住民の子供「僕のおばあちゃんがそう言ってたよ。僕のおばあちゃんは、温泉宿をやってるんだ。火の子の湯って言うんだ!良かったら寄ってよ」
にこ「なんかいいねぇ!ヤシロさん、今日そこ泊まろうよ」
ヤシロ「あぁ。まぁ、ゆっくりしていっても……あぁ……でも、サカキさんがなぁ……まぁ、いっかぁ!」
るい「いいんですか?」
ヤシロ「サカキさんが行くように指令を出したんだ!まぁ大丈夫だろぉ」
リンリン「温泉楽しみですぅ!お料理出るんですかね?」
にこ「リンリンは、またご飯の話だぁ」
にこがクスクス笑っている。
住民の子供「おばあちゃんに言っておくよ!4名様予約だよ!って。じゃあねー」
子供は、走って去って行った。
リンリン「石さんの工房があります!」
リンリンが指を差している。
4人が工房に入ってみた――。
石「旅人だ旅人だ」
石「あの猫の子可愛い」
石「聞こえてるぞ」
リンリン「えぇっ!?石さん達が喋っていますぅ!」
にこ「なにここー!うるさい石がいっぱいじゃん!」
職人「あぁ、気にするな。石はよく喋る。転送交信石の子供石だよ」
石「最近UNKNOWN SIGNAL聞いた?」
石「聞いた!」
石「URUは毎日磨いてくれるらしいよ」
るい 「えっ……?」
職人「石同士も交信するんだよ。だから何でも知っているんだ」
《ガヤガヤ》
《ワイワイ》
とても賑やかな石の工房。
るい「職人さんは、UNKNOWN SIGNALについて知っていますか?」
職人「さぁな……石の意思だ。石が話してくれるまではよくは分からないなぁ」
るい「そうですかぁ……」
石「UNKNOWN SIGNAL最近強くなったよな」
石「あの声、寂しそうな悲しそうな感じだった」
るい「えっ……?」
《カチッ》
石「シーッ。ひずみが騒いだ」
石達が静まり返った。
にこ「ひずみって、一体なんなのー!?やっぱり、よく分からないよー」
るい「この感じ……ひずみにも、意思があるんだよ、多分」
ヤシロ「僕は断言できる立場じゃないが、そうは感じている……」
にこ「火の子の湯行こうよー。ひずみの話は、何だか不安になる……」
ヤシロ「思い出すことが増えるからなぁ……とりあえず温泉入るかぁ」
リンリン「あのぉ……あそこにあるカレー屋さんが気になりますぅ!」
にこ「えっ?カレー?」
るい「マグマカレーって看板あるね」
ヤシロ「食べに行ってみるかぁ」
リンリン「はいっ!」
《テクテク、テクテク》
リンリンは、一目散に石工房から
出て行ってしまった。
にこ「リンリンは食べ物になると、歩くの早いよねぇ」
マグマカレー屋さんに入った4人。
店員「辛さは選べます」
るい「私、普通で」
にこ「えー。せっかくだから中辛にする」
リンリン「甘口にします」
ヤシロ「お前ら意気地がないなぁ。僕は激辛で」
店員「かしこまりました」
しばらくすると――
店員「おまたせいたしました」
赤黒いカレーが
テーブルに並べられた。
ヤシロのカレーは、特にグツグツして見える。
にこ「辛そうだねぇ、お姉…… 」
るい「う、うん……」
リンリン「いただきまーす」
リンリンが一口。
《ブルブルブルッ》
リンリンの体が震えた。
リンリン「か、辛いですぅ!リンリンの甘口のはずですぅ!」
リンリンがもう一口。
《ブルブルブルッ》
震えながらも、
リンリン「でも、なんだかクセになる美味しさです!」
ヤシロ「僕たちも食べてみるか」
にこ「う、うん……」
3人がカレーを口に運んだ。
るい「辛ーい!!」
にこ「わぁー!!」
ヤシロ「……」
るい「ヤシロさん……?」
ヤシロ「……」
にこ「大丈夫?ヤシロさん」
ヤシロ「か、辛すぎて喋れなかった!激辛は、ちょっと調子に乗りすぎた……でも、なんか美味いな」
にこ「あ……そっかぁ。ヤシロさん、カレー好きだもんね。ライラさんのとこでも食べてたし」
ヤシロ「あぁ。カレーは好きだけど、こんなに辛いのは食べたことないぞぉ」
滝汗をかいて食べているヤシロ。
ヤシロ「絶対に完食する!これは僕の任務だ」
るい「ヤシロさん、何言ってるんですか?」
るいが冷静にツッコんでいるところを、
リンリンとにこは笑ってみていた。




