感情のない美味しい朝食
にこもるいも、お風呂に入った後は、
いろいろありすぎて疲れていた。
「おやすみ」
と声をかけ合い、
互いに用意された別々の部屋へ向かう。
コテージを見て回るのは、起きてからにしようと決め、2人はすぐに眠りについた。
何時間眠っていたのだろうか……。
時空の歪みのせいか、
時間の感覚も定かではない。
だが、どうやら先に、
るいが目を覚ましたようだった。
るい「URUちゃん、おはよう。あっ……おはようって、あまり言わないのかな?」
るいがそう声をかけると、
すぐに応答が返ってくる。
URU「るい様。おはようございます。私はアンドロイドです。様々な言語に対応しております。よくお眠りになりましたか?」
どうやらURUは、
2人のために朝食の準備をしていたらしい。
るい「眠れたよ。ありがとう」
るいはそう言いながら、
目の前に並べられた料理に目を向けた。
ピザトーストに、
ほうれん草とベーコンのソテー、
スクランブルエッグのワンプレート。
そして、ミネストローネ。
るい「わぁ!URUちゃん、すごい!」
URU「いえいえ。とんでもないことでございます。
料理は一通り、プログラミングされていますから」
URUは、感情の起伏を見せることなく、
淡々と答えた。
るいは、そんな献身的な様子に、
とても好印象を抱いた。
るい「にこは、やっぱりどこでも寝たら、なかなか起きないみたい……」
苦笑しながらそう言った。
URU「にこ様の朝食は、後ほど温め直しますので、ご安心ください」
と、すぐに返ってくる。
るい「ごめんね。ありがとう」
るいは、少し申し訳ない気持ちになった。
朝食は、とても美味しかった。
るい「URUちゃんは……
その……なんていうか……
食事はしないの?」
URU「はい。アンドロイドですから」
るい「そうだよね……ごめん」
URU「いえいえ」
るいはまたしても、
申し訳ない気持ちになってしまった。
るいが朝食を食べ終えた頃――
にこ「おはよぉ。眠い……」
にこが部屋から出てきた。
るい「URUちゃんが、
美味しい朝食を用意してくれてるよ」
にこ「ほんとー?!」
その一言で、
一気に目が覚めたようだった。
URU「よくお眠りになりましたか?朝食を温め直しますので、少々お待ちくださいね」
にこ「ありがとー!」
時空の歪みのせいか、
現実世界のような挨拶は、あまり聞かない。
それでも「朝食」はあるのか……。
不思議な世界だな、と
るいは思った。
るい「朝食を食べたら、
コテージを少し見て回らない?」
にこ「うん!」




