宇宙船と揺れる封筒
風便り星へ向かう途中――。
リンリンは窓に張り付いていた。
リンリン「まだ着かないんですかー?」
にこ「リンリン、それ5回目くらーい!」
ヤシロ「あと少しだ」
るいは透明な封筒を膝の上に置いた。
封筒は時々ふわりと揺れている。
るい「本当に風便り星まで案内してるみたい……私も、おばあちゃんに手紙書こう。ヤシロさん、風便り星で出せる、便箋と封筒ありますか?」
ヤシロ「便箋は、何でもいいんだ。その透明の封筒さえあれば!何枚か宇宙船の中にあるはずだ!探してきなー」
るい「はい!分かりました。」
るいは、操縦室から出て、宇宙船の物置スペースになっている一室に入った。
《ウィーン……》
るい「わぁ……なんか色んなものが置いてあるなぁ。どこだろ?」
そこに、にこがやってきた。
るい「にこ?!」
にこ「初めて入った!おもしろーい!色んな星の色んなものがある感じだねぇ」
物置部屋の奥の方で、ないはずの風が吹いた気がした。
るい「んっ?!」
スタスタと近寄っていく。
そこには、ふわりと揺れ落ちた
透明の封筒が何枚かあった。
るい「あ!あった……!」
にこ「何枚もあるじゃん!皆が書けるね」
るい「うん」
にこ「操縦室持って行ってみよう!……その前に、もう少しここ見てこうっと!お姉、先行ってていいよ!」
るい「分かった。あんまりいじっちゃ駄目だよ?」
にこ「はいはいっ!」
《ウィーン……》
るいは、宇宙船の中の廊下を歩いていた。
窓の外には、無数の星が広がっている。
るい「私、いつの間に、こんな旅人になってたんだろう……」
窓と、封筒をチラチラ行ったり来たり見ながら、操縦室へ向かった。
《ウィーン……》
るい「ヤシロさん!ありました!」
ヤシロ「おぉ、あったか。にこは?」
るい「まだ、見たいものがあるみたいです」
ヤシロ「まぁ……いつものことだな。今は自動操縦だ。みんなそれぞれ書きたい人に書いてみるかぁ」
リンリン「いいですねぇ!!」
るい「はい!」
それぞれが想う人へ――
想うことを綴っていた。
にこも、風便り星に着くまでには
そのうち書くのだろう。
期待を胸に
揺れ動く不思議な封筒と共に、
風便り星へ宇宙船は向かっていた。




