世見乃さんで読子さん
ヤシロ達は、
時の止まり木を後にした。
透明の封筒は、不思議なことに
風もないのにふわりと揺れていた。
リンリン「世見乃さんって、どんな人なんでしょうか?」
にこ「おばあちゃんかなぁ?」
ヤシロ「シグレママの知り合いだ。普通の人じゃないだろうな」
るいは封筒を見つめていた。
るい「おばあちゃんにも、届くのかな……」
その時だった。
透明な封筒が淡く光を放った。
るい「わぁ!!」
風が吹いた。
優しい風だった。
まるで、どこかへ案内するような――。
その頃――
風便り星のある街で――。
世見乃「おやおや。風さんから手紙かい?
最近は珍しいさねぇ」
街の子供「読子さん!手紙出しに来たよ!」
お花に水やりをしている手を止めた世見乃。
世見乃「すっかり、私は読子さんって呼ばれるようになったさねぇ……想いは案外遠くまで飛ぶものさねぇ。だけど、返事が来るかは分からないよ?……でもねぇ、書かなきゃ始まらないこともあるんだよ」
街の子供「読子さん、何をブツブツ言ってるの?」
世見乃「オホホホ。気にしなくていいさねぇ。もうすぐ旅人がやってくるようだよ」
世見乃は、再びお花に水をやり始めた。
風に揺れる花々は、
誰かの想いをソッと聞いているようだった。
ここは――
世見乃こと、
読子さんがいる花綴街――。




