少し変わったあの日
ヤシロ「ひずみの声、聞けたか?」
にこ「なんとなーく!」
るい「聞けた気はします」
リンリン「美味しかったですぅ!」
にこ「リンリンっ!」
リンリン「エヘヘ」
ヤシロは
《0005-1》
と、打ち込んだ。
あっという間だった。
《プシュー》
カプセルが開いた。
目の前に、ウッド調の落ち着いた雰囲気のカフェが
久しぶりに、ポツリと現れた。
[Cafeライラ]
だった。
るい「わぁ!ライラさんに、また会える」
るいは、嬉しそうだった。
ヤシロがドアを開けた。
ヤシロ「よぉ!ライラ」
ライラ「ヤシロさん……みんな!いらっしゃい」
ライラもニコッと出迎えた。
にこ「バウンダリー街に行ってきたんだよ」
ライラ「そうなの?バウンダリー街かぁ。また凄いところに行ったね」
にこ「そうなの?」
ライラ「色んな人が集まるところ、あそこは」
るい「たしかに……そうだった」
ライラ「でしょう?……何か飲む?」
にこ「久しぶりに、星のジュース!リンリンにも飲んでみてほしい!」
リンリン「星のジュース……ワクワクします!素敵です!リンリンも、それください」
るい「じゃ、私も……」
ヤシロ「僕はコーヒーで」
ライラ「はい。少しお待ちくださいね」
ライラは、デニム生地のエプロンの紐を締め直した。
にこ「でさぁ、これからどうするの?」
ヤシロ「ひずみも騒がしい……サカキさんに報告してから決める」
にこ「そっかぁ……」
るい「私たち、1日をずっと過ごしてるんでしたっけ?」
ヤシロ「そうとも取れるし、そうじゃないとも取れる。まぁ……そういうことだ」
にこ「何それ?!」
ヤシロ「時空の歪みにいるんだぞ?お前らは。少し変でも仕方ないだろう?」
るい「まぁ……そうですね」
にこ「たしかに……」
ライラ「お待たせしました」
リンリン「わぁぁ!!」
リンリンの目がキラキラしていた。
☆の形をした大きめで厚みのあるガラス瓶のような容器に、くるんとしたストローが刺さっている、トロピカルジュース。
久しぶりの味だった。
にこ「サイコー!!」
リンリン「サイコー!!ですぅ!!」
にこ「ヤシロさんが飲んでるのは普通のコーヒーだよね?ひずみコーヒーじゃないよね?」
ライラ「ひずみコーヒーじゃないわ。あれはシラヌイさんが出すものじゃない?!」
にこ「え?シラヌイさん知ってるの?あの、ありんす。って言う変わった人!」
ライラは、クスッと笑った。
ライラ「知ってるよ。変わってるけど、的は射てたでしょ?」
るい「たしかに……見抜かれてる感じはありました」
にこ「凄いラメ落とすじゃん、あの人!」
ライラは、クスクス笑っていた。
ライラ「あの方は、そういう方だから」
にこ「へぇ……」
ヤシロ「ライラも、僕と同じくらい顔は広い!」
にこ「何それ、ヤシロさん」
リンリン「ふむふむ!つまり、ヤシロさんが、顔が広いということですね」
ヤシロ「繰り返すなよ、リンリン」
ライラ「喫茶店ネビィ懐かしいなぁ。私もあんなお店がやりたくて、カフェを始めたの」
るい「そうだったんですか?」
ライラ「そうなの。シラヌイさんに会って、少し価値観が変わったっていうか……なんだろうね……不思議だけど、素敵な出会いだったな」
にこ「へぇ……そうなんだねぇ」
ヤシロ「僕も不思議な人は制覇したつもりだったが……あの人は不思議だったな、たしかに」
ライラ「そうだ……あの日が2人にとって、少し変わったんじゃない?どう?」
るい「あの日……?ってあの日ですか?」
ライラ「うん」
るい「悲しみが大きかったです、あの日は……何も見えてなかった。今は色んなものが見えています」
にこ「うん!」
ライラ「そう!それなら少しホッとした。また何かあったらいつでも来てね」
リンリン「はい!!」
にこ「リンリンが答えるの?」
皆は笑っていた。
《カチッ》




