喫茶店ネビィ
そこにいたのは――
きらびやかな着物を纏った、
不思議な宇宙人だった。
髪には、 星のかんざし。
歩くたび、 淡いラメみたいな光が舞っている。
にこ「クセ強っ!!」
リンリン「す、凄いキラキラです……!」
???「ここは、“ひずみ珈琲店”でありんす」
るい「ひずみコーヒー?」
???「私は、シラヌイ・ネビィでありんす。おやおやぁ? お姉さん、“大丈夫なフリ”上手でありんすねぇ」
るい「え……?」
シラヌイ「でも、目が少し疲れてるでありんす」
るいは、 思わず黙った。
すると続けて、シラヌイは
ヤシロに話しかけた。
シラヌイ「お兄さん、ずっと“待ってた”顔してるでありんすね」
ヤシロ「……」
シラヌイ「会えた様子でありんす」
にこ「シラヌイさんは、なんか不思議な人だね」
シラヌイ「そうでありんす?おやおやぁ…… この《カチッ》、 普通のひずみの声ではないでありんすね」
ヤシロ「……何が見えてる?」
シラヌイ・ネビィは、 ラメを払いながら笑った。
シラヌイ「誰かが、 “守ろうとして” 歪ませた音でありんす。お姉さん達、 “守られすぎてる” 顔してるでありんす」
るい「……え?」
シラヌイ「優しい人ほど、 秘密を抱えるものでありんす。まぁ……ひずみコーヒーでも、どうぞでありんす」
《カチッ》
ヤシロ「コーヒーが、鳴ってるな……」
シラヌイ「ひずみを知るには、ひずみを味わうしかないでありんす。向き合うんでありんす」
るい「向き合う?」
シラヌイ「そうでありんす。あなた方に大事なことは――向き合うことでありんす」
フフッ。と笑いながら、またラメが舞った。
《ゴクゴク……》
にこ「えっ……?」
るい「なんでかな……なんか泣けるね」
にこ「うん……お姉。私たち気付いてることあるかもね」
るい「そうだね……きろく星あたりかな……」
ヤシロ「そうかもなぁ」
リンリン「美味しいです。不思議な味です。優しい気持ちが増しました!」
シラヌイ「また会うかもしれないし、 会わないかもしれないでありんす」
《カラン……》
るい「……あれ?」
次の瞬間――
喫茶店とシラヌイ・ネビィは消えていた。
そこには、 霧と静かな時計音だけ。
にこ「えぇぇ!?!?」
リンリン「ラメだけ残ってますぅ!」
地面には、 淡く光るラメが、
星みたいに散らばっていた。
《カチッ》
遠くで、 静かな音が響いた。
にこ「なんか、凄いキラキラなんだけど!!」
るい「ラメだけ残していくんだね……」
リンリン「リンリンのヒゲにも付きましたぁ!」
ヤシロ「ド派手だな……」
次の瞬間――
「時空で、輝いてなんぼでありんす」
シラヌイの声が聞こえた気がした。




