ひずみラーメンとズレた花火
《2068-2》
リンリン「バウンダリー街わくわくします!」
るい「そうだね。でも何か少し不安かも」
《プシュー》
カプセルが開いた。
4人はカプセルから一歩外に出た。
そこは――
常に夕方みたいな空で
空間が少し歪んでいる街だった。
遠くで、
《カチッ》
が、ずっと聞こえる街。
にこが辺りを見渡した。
にこ「なんか、時計やたら多くない?しかも、全部違う時間だよ。変なのー」
古い街並みなのに、
何故か未来が混ざっている不思議な街。
――バウンダリー街。
るい「落ち着くけど、なんかやっぱり不安だよ、この街」
ヤシロ「そうだな、ひずみが分かりやすく反応する街だからな」
《カチッ》
小さな音が響く中、 屋台から湯気が立っていた。
にこ「ラーメンじゃん!」
屋台の店主「食ってくかい?」
るい「え……こんな街で普通にラーメンあるんだ」
店主「普通じゃないぞ? “ひずみラーメン”だ」
にこ「何それ!絶対変!!」
店主は、ニヤッと笑った。
店主「食ってる間だけ、 少しだけひずみの音が強くなるかもしれない」
リンリン「つ、強くなるんですか!?」
少し待っていると――
店主「はい!お待ち!」
にこ「うわ、黒っ!!」
リンリン「た、食べても大丈夫なんでしょうか……」
ヤシロ「まぁ、死にはしねぇよ」
スープは深い黒。
表面に宇宙みたいな虹色が反射して見え、
湯気が少し揺らいで見える。
リンリン「ネギだけ、なんだか鮮やかですね」
麺が時々光って見える気がする
不思議なラーメンだ。
るい「美味しそうだけど……なんか不安だね」
ズズッ……
るい「美味しい!!」
にこ「おいしーね」
リンリン「リンリン、こんなに美味しいラーメンは初めてです」
店主「美味いだろ?でも……よく聞いてみな」
《カチッ》
音が、 少し近く聞こえる。
《カチッ》
耳の近くまで、音が来ていた。
にこ「わぁ!ビックリした」
店主「不思議だろぉ?」
ニヤっと笑っていた。
店主「今日は運がいいな」
るい「え?」
店主「もうすぐ、“バウンダリー花火大会”が始まる」
《カチッ》
遠くで音が響いた。
次の瞬間――
夜でもない夕空に、 漆黒の黒と淡い紫の花火が広がった。
にこ「うわぁぁ!!」
花火は、 空で弾けたあと、
少しだけ時間差で咲いた。
ヤシロ「この街じゃ珍しくない。ひずみが勝手に花火を打ち上げてる。理由は分かっていないんだ」
花火の音は不思議だった。
大きな
《カチッ》
だった。
周りの時計の針がグルグル動いていた。




