バウンダリー
《カチッ》
《カチッ》
そのとき――
《ピピッ……ピピッ……》
転送交信石が、コテージで反応していた。
転送交信石「危険度上昇。
ひずみの不安定を確認。
安全確保の為帰還を推奨。」
ヤシロが腕に身につけている
宇宙時空委員会専用の
デジタルウォッチ型通信機が
反応し始めた。
ヤシロ「ほらなぁ?」
転送交信石「安全確保のため、
緊急転送を実行します」
ヤシロ「……一回戻るぞ」
にこ「え?」
ヤシロ「ひずみの波が不安定だ」
るい「にこー!戻されちゃうじゃん!」
次の瞬間――
世界が、白く弾けた。
気付いたら、4人は、
コテージに転送されていた。
リンリン「も、戻ってきてます!
あれ?なんだか美味しそうな匂いがします!」
リンリンが鼻を
クンクンとしていた。
URU「皆様おかえりなさいませ。ひずみが不安定でしたので……戻られるかと思いまして、グラタンとあさりのボンゴレビアンコをご用意いたしました」
るい「わぁ!凄い!美味しそう」
にこ「んー?私悪かった?」
るい「悪くはないけどさ……まぁいいよ」
ヤシロ「まぁ、仕方ないだろう。食べるか、とりあえず」
リンリン「それで……これからどうしますか?」
ヤシロ「そうだなぁ。バウンダリー街にでも行くか」
るい「バウンダリー街?」
ヤシロ「時空の境界付近に存在する街だ。
歪みの影響を受けながらも、 人は普通に暮らしている街だ。ひずみの音もかなり聞こえるが。
街の時計は、 場所によって時間が違うんだ。
不思議だろ?」
にこ「よく分かんないけど、そこ行ってどうするの?」
ヤシロ「ひずみの声をよく聞きに行くんだよ」
リンリン「なるほどです!」
《カチッ》
今度の音は、 どこか近くから聞こえた気がした。
ヤシロは、 静かに窓の外を見ていた。




