コテージ―変わらない景色と《カチッ》
ブレイは、軽く手を振った。
ブレイ「じゃあな。
また分岐点で会おう。」
るいたちは、小さくうなずいた。
次の瞬間――
《シュン》
景色が、やさしく揺らいだ。
目を開けると、
そこには――
見慣れた湖と、
あのコテージがあった。
ヤシロ「またか……」
にこ「まただねぇ」
リンリン「前と同じで、コテージに着いています!」
るい「とりあえずコテージ戻ろうよ」
にこ「よいしょ、よいしょ」
るい「あんたは、どんだけお酒貰ってきてるの?」
フッと笑いが出てしまった。
リンリン「リンリンも手伝います!」
《テクテク》
リンリン「リンリン持てなかったですぅ!」
ヤシロ「仕方ねぇな、まったく」
ヤシロが、軽々荷物を持ち上げ歩き出した。
URU「皆様、おかえりなさいませ」
にこ「ただいま、URUちゃーん!またお酒貰ったからね」
エヘヘと笑う、にこ。
URU「皆様、全てお持ちいたします」
るい「えっ?」
URUが顔色ひとつ変えずに、
みんなの荷物を全て持ち上げた。
ヤシロ「お前ら、URUがアンドロイドなの、忘れてるんじゃないか?」
リンリン「そ、そうでしたぁ」
るい「だけど、重くない?」
《カチッ》
――ほんのわずかに、間があった。
が、顔色1つ変えずにURUは返した。
URU「何も感じません」
るい「そ、そっかぁ……」
にこ「URUちゃんに出来ないことってあるのかなぁ?」
URU「強いて言うなら、感情を出すことです。私にはそれが出来ません」
にこ「う、うん……」
一瞬だけ空気が揺れた。
にこ「URUちゃん!とりあえずお酒みんなで飲もうよ」
URU「ご用意いたします。おツマミは、何になさいますか?」
ヤシロ「軽いやつでいいぞー」
URU「承知しました。では」
《ドサッ》
と、荷物をリビングに置いたURUは、
そそくさとキッチンへ向かった。
《カチッ》
グラスとグラスが重なった音が、
リビングに――やけに響いていた。




