知らないことの怖さ
何から話せばいいんだろうか、
きっと初めから終わりまでと言われそうだが、
今はごちゃごちゃしているのでそれは無理だ。
だから、かいつまんで俺の知っていることだけを説明したい。
このゲーム「鉄牢」いや、正式名称「アイアンゲージ」はとっても残念な事に
運営がわざと不親切だ。ゲームの骨子を成す、時代背景とか一切触れてくれない。
わずかに、毎月どこかの都市で行われているゲージは
その都市の領主が主催している事
サーバーにより、PvPの可否が分かれていること。
知らなくてはならない情報は自分で集めないと手に入らない。
例えば、この世界に国が存在していた事とか。
サーバーベガ、転移門所在都市、医療都市ヨルムの第三療養院、
院長セーブルによると、今俺達がいるのは、マルタという国らしい。
マルタは12の領主が収める貴族領と
第68代マルタ王、ミズチ6世の収める王領で成り立つ
ラクーラ大陸の7大国の一つで、ラクーラ大陸には小国も合わせると
14の国があるらしい。
また、ほかの大陸も存在しているらしいが、一般に大陸間航海は
盛んではなくよくわからないとのことだ。
まぁ、文明規模が中世だからな。
この大陸に14の国があるってことを知っているだけでも、十分博学だろうな。
マルタは大陸の南西に位置しているらしい。
地図は残念ながら、存在しない。まぁ重要機密に当たるしな。
ただ、国家間の状況は悪くない為、戦争とかはないということだ。
まぁモンスターの出る迷宮なんかがある世界で、国同士が争ってた日には
仲良く滅亡しても仕方がないから当たり前か。
そんなご都合主義な背景を初めて知ったんだよ!
俺は、鉄牢初めて一年以上経つけど
今まで考えたこともなかったょ。
くそったれが!
まぁ、冒険者なら知らなくても構わないしね。
この世界で楽しく過ごすのに、国家なんか関係ないから・・・
冒険者の街の呼び方とNPCの町の呼び方の違いにしても、
どうもそこらへんが関係しているらしいけど、
今回のマルカン草探索まで、気にしたこともなかったしね。
気がつかなくても、ま~ったく問題ありませんでした。
むしろ、気がついちゃったことが問題です。
この国の12の都市、多分全部、俺たち知らないんですよ。
公式でというかサーバーベガで発見されている都市ってわずかに4つ
アルザス、ミルネク、ヨルム、ガムラだけです。
あと8個の都市と首都マルターレについて知ってる人っているんでしょうか?
多分いるんでしょうね。でも秘匿されている。
公式発表の4都市以外誰も気にしないんでしょうね。
俺が気にしなかったように。存在すら知らない人がほとんどなんでしょう。
改めてこのゲームの奥の深さを思い知ったエピソードでした。
「じゃぁ次、羽橋、前に出てやってみろ。」
「えっ」
「どうした、羽橋、窓の外に答えはないぞ。」
「あ、えーと、すみません、わかりません」
とたんにクラス中大爆笑です。
「しょうがない奴だ、じゃぁ川上、代わりにやってみろ。」
「はい、」
佑が立って黒板に向かいました。
ふと、右の前方を見ると、頭を抑えている美香が見えました。
(´Д`)ハァ…
「羽橋、ぼけっとしている暇があるなら黒板を写せ!」
タカプーは俺に恨みでもあるんだろうか。
・・・・
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