第四話:「往昔」
「やってみなさいよ、カテラ・リバー!」
リナウスがカテラに接近し、魔剣を振るう
「っぅ!」
カテラはギリギリで攻撃をかわす
「はぁぁぁ!」
リナウスは斬撃を絶え間なく飛ばす
「麒麟」がカテラの前に飛び出し、攻撃を受け止める
「おらあっ!」
カテラが雷撃を飛ばし、リナウスの頬に傷をつける
「はぁぁぁあ!!」
カテラを守っていた「麒麟」が姿を消す、それと同時にカテラはリナウスに接近する
「(ふっ、このアタシに接近戦する気?カウンターで確実に……仕留める!)」
「あぁっ!ぅ……」
次の瞬間、リナウスの背後から「麒麟」が現れ、リナウスの右頭蓋を少しえぐる
リナウスは大量に出血しながら仰向けで倒れ込む
「く……そっ……」
「勝負ありだな」
「アタシ………死ぬ…の……?」
「お前は俺と同じで人殺しだ…死を以って罪を償う必要がある」
// カテラの過ぎ去った過去 //
「アンタが新入り?、アタシは勇姿パーティーのリーダー・リナウス。これから宜しく頼むよ」
「君の剣技見させてもらったけど、とても素晴らしかった。君はいずれ、僕と肩を並べて戦う仲になると思ってる…期待しているよ」
「カテラさん、知っていますか?勇姿パーティー6代目リーダー、ヘルガー・シェルスタルのことを。実は、リナウスさんは彼に憧れて、勇者パーティーに入ったんですよ!」
「ちょっ!それは言わない約束でしょ!エルナ〜!」
// ───────//
「お前たちと出会った日のことを、俺は一日たりとも忘れたりはしていない……でも、もうあの頃には戻れないんだ……」
「さようなら、リナウス。いずれ……『彼岸』で再会しよう」
カテラはその場を去ろうとする
「(アタシは……結局…彼のような………憧れの……存在に…成れな…かっ…た……………)」
「待……って」
「……なんだ?」
「アタシを……殺し…ておい…て……ただで……済む…と思わ……ないでよ………アタシの…分まで………苦しんで……死に…なさい──」
「彼の…ように………成し…遂げて………」
リナウスはそこで息を引き取る
「あぁ、必ず成し遂げてみせるさ。彼の──いや、皆の意志を継いで」
カテラは再びその場を去ろうとしたその時、遠くから声が聞こえてきた
「カテラさん…!どうして…リナウスさんを!」
川を挟んだ反対側にはエルナとザイカの姿があった
「エルナ…それに、ザイカ」
「カテラ、君は自分が何をしたのか…分かっているのか!」
「………あぁ、勿論。リナウスは俺が殺した。いくらでも恨んで…俺を殺しに来るがいい。でも……まだその時じゃない」
「……事情があったんだろ?話してくれ、頼む。君が軽率に人殺しをするような人間じゃないって事は分かっている!」
「理由なんてないさ、ただの気の迷いだよ。だから今ある感情は……『怒り』と『後悔』だけだ……」
次の瞬間、カテラは霧のように姿を消す
「ザイカさん……」
エルナはとても悲しい表情を浮かべる
「……ひとまず、リナウスを」
「えぇ…」
◆
山奥の小さな小屋にて
「はぁ……罪は増える一方、贖罪の機会は巡ってこない………やはり、自ら動くしかない」
「だけど結局のところ、すべての原因を遡ってみると、それは一つに巨悪に辿り着く。そう、それこそが『魔王』」
「すべての元凶、厄災…諸悪の罪業…!もうこれ以上、お前の好きなようにはさせない…!必ずお前の居場所を突き止め、共に罪業を償おうじゃないか!」
◆
深夜の山岳にて───
空中にホログラムが出現し、放送が始まる
「続いての速報です、魔王軍が再び進軍を開始しました。北東にある32の集落、及び村は壊滅的被害を受けました。今回の軍は例を見ない進軍スピードを誇っており、どうやら魔王直属の配下、『原初の魔女』率いる軍のようで、一行に止まる気配はありません」
「市民の皆様は直ちに…神秘に祝福されし地、『夢寐のスターファブラー』に避難してください!」
放送を聴いていたピンク色の髪をした女性がつぶやく
「…『夢寐のスターファブラー』その名はお聞きにしたのは久方ぶりです……またも朽ちた首領様が何かをお企みになられているようですね」
「ふふっ…ならば神秘の幻影を以って、壊滅した勇者パーティーの皆様、あなた方に…事象を逆行し映し出す神秘の鏡で、私から…世界の『真実』をお伝えしましょう」
〜〜〜〜〜『第一章:「無道篇」』・完 〜〜〜〜〜




