番外編:新たな日々6
数日後――
吾輩たちは家へと帰ってきた。
「おかえりさないませ、ご主人さま、それにシェリルさん!」
「待っていたぞ、二人とも!」
アリアフィーネ、それにスミレまで。
留守期間中、スミレは自宅へと帰っていたものと思っていたが、部屋着を着ているのを見るにどうやらそのまま泊まっていたようだ。
「ただいま、二人とも。留守中変わりなかったか?」
「はい、特に変わりなく。スミレさんと楽しく過ごしてました。……もちろん、ご主人さまがいなくて寂しくはありましたが」
む、アリアフィーネが吾輩を抱き寄せて……
やはり、アリアフィーネの胸に抱かれていると落ち着くな……。
「や、やん! この数日間あんなにも仲を深め合いましたのに、そんなふうに見せつけられたら……んっんっっ♡」
ああ……、そういえばそんな性癖をしておったな、シェリルよ……
「たしかに、こうも見せつけられると劣情を催すような……♡」
待て、スミレまで何を……
いや、聞かなかったことにしよう。
「それにしても、この数日間で本当に仲良くなられたのですね、ご主人さまにシェリルさん」
「む」
「わ、わかるものなのです……?」
「ええ、帰ってきた時のお二人の雰囲気でそれはもう」
ふむ、そういうものなのか……
「それにしても……シェリル、何やらすごいブレスレットをしているな?」
「ク、クロノさまにいただきましたの……」
スミレの質問に頬を赤くしながら答えるシェリル。
それを聞いた途端にアリアフィーネとスミレが――
「ふふ、プレゼントですか……ご主人さま?」
「そうか、プレゼントか。シェリルにだけ、プレゼントか……」
な、なんだ!?
二人が纏う雰囲気が柔らかなものから一気に冷たいものに……!
「デ、デート中に野暮用に付き合ってもらってな。その詫びにプレゼントしたのだ。」
「そうですか、ふふ……素敵なブレスレットですね」
「髪色、それに瞳の色と同じ色の高級そうなブレスレット……本当に素敵だな?」
ぬっっ!?
体中を走り抜けるこの感覚は……!
まさか、これが恐怖という感情なのか!?
「ふ、二人にも似たものをプレゼントしよう。これから一生をともに過ごす仲であるしな」
「ふぇ??」
「ほぇ??」
……なんで揃いも揃って不思議な声を出しておるのだ。
後者……スミレはともかく、アリアフィーネまで。
「ご、ご主人さま……? い、今……」
「い、一生をともに過ごす仲、とか言わなかったか……!?」
おぉ……
この反応、まさかスミレだけでなく、アリアフィーネまで吾輩がその覚悟をしていないと思っておったのか?
「当たり前であろう、二人とも何度も体を許し合った仲なのだ。その責任を取るのはもちろんだが、吾輩自身がともに添い遂げたいと思っておるのだ」
「ご、ご主人さま……!」
「クロノちゃん!!」
おお、二人とも瞳を潤ませて……って!?
なぜ服を脱ぎ始めておるのだ!
「あ、わたくしも混ざりたいですの♡」
シェリルまですごい適応能力だな!?
「あ、ちょっ……せっかくいい雰囲気だったのに寄ってたかって何を……」
「「「ナニを♡♡♡」」」
やかましいわ!!
【三人揃って受精の準備が整いました。今なら確実にお世継ぎが出来ます】
ええい! 相変わらずこんな時にだけ出てきおって!
カレンよ、黙っておれ!!
◆
数時間後――
「ああ、やってしまったな」
キングサイズのベッドの上、あられもない姿で横たわる三人娘の姿を眺めながらそんな言葉が吾輩の口から漏れる。
いつもはそれなりに余力が残るものだが、今回ばかりは幸福感の他に疲労感も残るな……。
【三人とも凄まじい貪りでしたからね。特にアリアフィーネは最初に気絶しましたが、他の二人の相手をしている間に回復して再度迫ってきましたから】
だから余計なことを言うな、カレンよ。
「うぅん、クロノさま……♡」
「クロノちゃん……♡」
「大好きです。ご主人様……♡」
三人揃って寝言で吾輩の名を……
本当に、愛おしいものだ。
(そういえば……カレンよ、本当に今回三人とも孕――いや、聞かないでおこう)
【ふふっ、こればかりは授かりものですからね。クロノ様がそう言う以上、私も野暮なことは言いません】
……カレン、自身のことを音声ナビゲーションシステムであり、それ以上でもそれ以下でもないと言っておったが、時折明らかに暖かさを覚えるのだよな。
まぁ、いい。
さすがに吾輩も今回は少々疲れた。
三人娘に囲まれながら、少しだけ眠るとしよう。




