殺しの独白

たった今、陽太を殺した。
交際の挨拶をするため、二人で陽太の実家へ向かう日のことだった。陽太のことは好きだ。だが、私たちには一つ、大きな問題があったのだ。それも、ありふれたものではなく、抗いようのないことである。

母子家庭に生まれた少女と、恵まれた家庭に生まれた少年。少女は現実に立ちすくみ、少年は未来を夢見ている。相反する二人が紡ぐ、儚くも切ない恋物語。


この作品は、schwarzschwertにも掲載しています。2017.6.16〜2017.8.7