第一章49 『大企画説明会!』
十一月二十日の朝、ティアラたち三人はいつも通りに登校したものの、机に座る姿はぐったりしていた。
それもそうだ。なにせ、
「雇用されなかった……」
「うぅ…………で、でも、まだ今日までだから可能性はあるもん!」
と、何とかミファーは現実から目をそらす。
ちなみにリーファは完全に現実を直視したのか、机に突っ伏している。
「まぁ、可能性はあるものね……」
というティアラも正直現実を見たくない。
それから最後の授業まで、ティアラは希望をどうにか維持したが、
「やっぱりダメだったわね……」
「うぅ……」
「――――」
唸り声をあげて涙目なミファーと、相変わらず机に突っ伏しているリーファ。当のティアラも、かなりのダメージがある。帰ったらふて寝してしまおう。
「ティアラちゃん!」
「は、はい! も、もしかして提案が通ったんですか!!?」
先生の声に振り返り、その先生へ期待の眼差しを向ける。
「いや、それは残念だけど……」
「そ、そうですか……」
「けどティアラちゃん! あなた大企画の特別雇用に選ばれたよ!」
「……へ?」
「――! 先生先生! ミファーは!!」
「ぁ、残念だけど……」
「うぅ……」
ミファーの唸り声。
リーファは何も聞きたくないのか顔すら上げていない。
泣いてたりしないわよね……?
「あとティアラちゃん、飾り付けの雇用にも選ばれてる」
「――――」
あまりの急展開に、ティアラは口が開いたままになる。
そんなティアラをよそに、小首を傾げたミファーが疑問を投げかけた。
「飾り付けの雇用ってなにぃ? 雇用って、大企画と大規模小企画と小企画、あと屋台だけじゃないのぉ?」
「今回は飾り付けの仕事も雇用でやるみたい。この後説明会があるんだけど、大企画と飾り付けがかぶっちゃってるみたいで……」
「それなら私が代わりに行きます」
と、そこで手を挙げたのはいつの間にか顔を上げたリーファだ。
目元がちょっと赤くなっているように見えて、ティアラは本当に泣いていたんじゃないかと思って目を見開く。
「ミファーも行く!」
「そうだね。企画者は大企画の方を優先してほしいらしいから、飾り付けの方だけ頼めるかな?」
「わかった!」
「わかりました」
「あ、あたし、何が何だかわかってないんだけど、特別雇用ってなによ」
「普通の雇用より大変なんだってぇ! だから給料も交渉できる!」
「ティアラちゃん、悪いんだけどもう時間がないから、早く説明会に行ってちょうだい!」
と、そんな感じで先生に急かされるまま、ティアラは先生から伝えられた場所へ走ることになった。
「えっとこっちよね! あっここだ!」
大企画雇用説明会と大きく書かれた教室が見えて、ティアラは慌てて駆け込む。その中は人が多いものの、まだ空いている席が何個かあるのを見る限り、なんとか間に合ったようだ。
ティアラはおどおどしながらも席について、それから二分か三分か経った頃――――、
「お集まりいただきありがとうございます」
「――!――」
入ってきたその男の姿を見て、ティアラは目を見開いた。
「大企画の説明をさせていただきます。俺が今回の冬祭りの企画者――イラディス・イラディストです。呼び方はご自由に、一応、友達からはイラと呼ばれてますけどね」




