Chapter 23「ソラナムとリゼ②」
休日。
学園都市中央区。
「……。」
ソラナムは無言だった。
黒シャツ。
ロングコート。
ラフな私服。
その隣。
リゼは少し満足そうだった。
「似合ってるじゃない。」
「落ち着かない。」
「軍服しか着ないからよ。」
周囲は賑わっていた。
学園祭前日。
学生達の買い出し。
屋台準備。
音楽。
笑い声。
ソラナムは少し周囲を見る。
「……平和だな。」
「そのために戦ったんでしょ。」
少し沈黙。
「まぁな。」
すると。
向こうから声。
「カナタこれ違うって!」
「いや絶対そっちだろ!」
「あ。」
カナタ達だった。
「……。」
「……。」
数秒停止。
「えっ。」
カナタが固まる。
「ソラナムさん!?」
「うわほんとだ!!」
アカリが目を丸くする。
「……何してるんですか。」
カナタが恐る恐る聞く。
ソラナムは少し黙る。
そして。
「デートらしい、こいつが言うにはな。」
「「「えぇぇぇぇ!?」」」
リゼが吹き出す。
「あなた、そういうとこ不器用よね。」
ソラナムは少しだけ咳払いした。
その後。
四人で少しだけ回ることになる。
射的。
屋台。
クレープ。
『祭りとは興味深い。』
「お前食えないだろ。」
『雰囲気を楽しんでいる。』
ノヴァリオンが地味に馴染んでいた。
一方。
ソラナムは、
慣れない空気に少し疲れていた。
「大丈夫?」
リゼが聞く。
「……悪くない。」
その返事。
少しだけ柔らかかった。
夕方。
帰り道。
空が赤く染まっていた。
リゼが隣を歩く。
少し静かな時間。
「ねぇ。」
「ん?」
「楽しかった?」
ソラナムは少し考える。
「……あぁ。」
リゼが少し笑った。
その笑顔を見て。
ソラナムは、
何故か少しだけ安心していた。
次回予告
夜の学園。
二人きり。
止まっていた時間が、
ようやく動き始める。
「好きよ。」
「ずっと前から。」
そしてソラナムは、
初めて“生きて帰る理由”を口にする。
Chapter 24
「ソラナムとリゼ③」




