表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VALGRAVE - END OF GENESIS -  作者: 羽吹南瓜
第2部「継承編」
PR
49/67

Chapter 22「ソラナムとリゼ①」

 白い天井。


 消毒液の匂い。


 規則的な電子音。


「……。」


 ソラナムは静かに目を開けた。


 医務室。


 ベッド。


 点滴。


「最悪だな。」


「起きて最初にそれ?」


 横を見る。


 椅子に座っていたリゼが、

 呆れた顔をしていた。


「……どれくらい寝てた。」


「丸一日。」


「長い。」


「十分短いわよ。」


 ソラナムは起き上がろうとする。


 瞬間。


「痛っ……。」


 全身に激痛。


 肋骨。


 左肩。


 神経接続負荷。


 かなり酷い。


「はい戻る。」


「いや訓練――」


「戻れ。」


 押し戻された。


「……。」


「……。」


 少し沈黙。


 窓の外では、

 学生達が歩いていた。


 平和だった。


「フレアは。」


 ソラナムが聞く。


 リゼは少しだけ黙る。


「……粒子崩壊確認。」


「そうか。」


 短い返事。


 でも。


 その声は少し掠れていた。


「後悔してる?」


 ソラナムは答えない。


「……分からん。」


 リゼは静かに息を吐く。


「アンタ、

 昔からそう。」


「?」


「全部一人で抱え込む。」


「別に抱えてない。」


「抱えてる。」


 即答だった。


「ミリアのことも。」


「フレアのことも。」


「ヴァルグレイヴも。」


「全部。」


 ソラナムは黙る。


「……俺が弱かった。」


 静かな声。


「守れなかった。」


 リゼは少し目を伏せる。


「でも。」


 彼女はゆっくり立ち上がった。


「アンタが死んだら、

 意味ないのよ。」


 ソラナムが少し目を見開く。


「今回だって。」


「もう帰って来ないかと思った。」


 その声は、

 少し震えていた。


「……。」


 ソラナムは何も言えなかった。


 リゼがこんな顔をするの、

 知っていたはずなのに。


 ちゃんと見ていなかった。


「少しは、

 自分を大事にしなさい。」


 静かな声。


「アンタが思ってるより、

 心配してる人は多いの。」


 そして。


 リゼは小さく笑った。


「……特に私が。」


 ソラナムは、

 少しだけ視線を逸らした。


 その耳が、

 僅かに赤かった。



次回予告


 退院後。


 リゼに連れ出されるソラナム。


「……なんで私服なんだ。」


「デートだから。」


「は?」


 学園祭前日。


 束の間の平和。


 そしてカナタ達は、

 偶然“ある光景”を目撃する。


「えっ、

 あれソラナムさん!?」


Chapter 24


「ソラナムとリゼ②」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ