Chapter 22「ソラナムとリゼ①」
白い天井。
消毒液の匂い。
規則的な電子音。
「……。」
ソラナムは静かに目を開けた。
医務室。
ベッド。
点滴。
「最悪だな。」
「起きて最初にそれ?」
横を見る。
椅子に座っていたリゼが、
呆れた顔をしていた。
「……どれくらい寝てた。」
「丸一日。」
「長い。」
「十分短いわよ。」
ソラナムは起き上がろうとする。
瞬間。
「痛っ……。」
全身に激痛。
肋骨。
左肩。
神経接続負荷。
かなり酷い。
「はい戻る。」
「いや訓練――」
「戻れ。」
押し戻された。
「……。」
「……。」
少し沈黙。
窓の外では、
学生達が歩いていた。
平和だった。
「フレアは。」
ソラナムが聞く。
リゼは少しだけ黙る。
「……粒子崩壊確認。」
「そうか。」
短い返事。
でも。
その声は少し掠れていた。
「後悔してる?」
ソラナムは答えない。
「……分からん。」
リゼは静かに息を吐く。
「アンタ、
昔からそう。」
「?」
「全部一人で抱え込む。」
「別に抱えてない。」
「抱えてる。」
即答だった。
「ミリアのことも。」
「フレアのことも。」
「ヴァルグレイヴも。」
「全部。」
ソラナムは黙る。
「……俺が弱かった。」
静かな声。
「守れなかった。」
リゼは少し目を伏せる。
「でも。」
彼女はゆっくり立ち上がった。
「アンタが死んだら、
意味ないのよ。」
ソラナムが少し目を見開く。
「今回だって。」
「もう帰って来ないかと思った。」
その声は、
少し震えていた。
「……。」
ソラナムは何も言えなかった。
リゼがこんな顔をするの、
知っていたはずなのに。
ちゃんと見ていなかった。
「少しは、
自分を大事にしなさい。」
静かな声。
「アンタが思ってるより、
心配してる人は多いの。」
そして。
リゼは小さく笑った。
「……特に私が。」
ソラナムは、
少しだけ視線を逸らした。
その耳が、
僅かに赤かった。
次回予告
退院後。
リゼに連れ出されるソラナム。
「……なんで私服なんだ。」
「デートだから。」
「は?」
学園祭前日。
束の間の平和。
そしてカナタ達は、
偶然“ある光景”を目撃する。
「えっ、
あれソラナムさん!?」
Chapter 24
「ソラナムとリゼ②」




