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VALGRAVE - END OF GENESIS -  作者: 羽吹南瓜
第2部「継承編」
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Chapter 19 「奪還戦線」

 宇宙は静かだった。


 だが。


 その静寂は、

 無数の閃光によって切り裂かれている。


 爆発。


 粒子砲。


 HX群。


 本部輸送艦隊は、

 完全に包囲されていた。


『左舷被弾!!』


『第三護衛艦大破!!』


『HX侵入!!』


 警報が鳴り響く。


 艦橋ではレオン監査官が、

 険しい顔でモニターを睨んでいた。


「敵指揮個体は。」


『確認。』


『黒紫HX、

 艦隊中央へ接近中!!』


 モニターへ映る。


 黒紫の機体。


 歪な装甲。


 赤い片目。


 そして。


 右腕へ形成された巨大粒子ブレード。


《終焉天使》


 GENESIS戦争後。


 フレアがHX側で再構築された姿。


『ソラナム。』


 低い声。


 その瞬間。


 終焉天使が加速した。


 ドォォォォン!!


 一瞬で護衛FW部隊中央へ突入。


 粒子ブレード横薙ぎ。


 三機同時撃破。


『ぐああああ!!』


『速すぎる!!』


 さらに。


 黒紫粒子が周囲へ拡散。


 HX群が一斉突撃を開始する。


「ッ……!」


 レオンが歯を食いしばる。


「これが、

 GENESIS戦争生存個体……。」


 一方。


 学園。


 緊急出撃デッキ。


「なんで休日に出撃なんだよぉ!!」


 カナタが叫びながらヘルメットを装着する。


『非常事態だからだ。』


「お前冷静だな!?」


 周囲では学生達も慌ただしく動いていた。


 FW搬出。


 武装装着。


 整備班怒号。


 さっきまでの平和が嘘みたいだった。


 アカリが走って来る。


「カナタ!!」


「うおっ。」


「死ぬなよ。」


「縁起悪っ!?」


「一応言っとく。」


 その時。


 重い駆動音。


 全員が振り向く。


 黒鉄色の機体。


 追加装甲。


 大型推進器。


《FW-G3C バスティオン・カスタム》


 ソラナム機。


「……。」


 カナタは少し見惚れる。


 やっぱりカッコいい。


 無骨で。


 重そうで。


 でも強い。


 すると通信。


『全出撃部隊へ。』


『今回の任務は、

 輸送艦隊防衛。』


『ヴァルグレイヴを奪わせるな。』


 ソラナムの声だった。


 静か。


 だが。


 どこか鋭い。


『……敵主力はフレア。』


 一瞬、

 空気が止まる。


『俺が止める。』


 短い言葉。


 でも。


 そこに迷いは無かった。


 一方。


 輸送艦隊宙域。


 終焉天使が、

 次々と護衛機を撃破していく。


『止まれぇぇぇ!!』


 人類軍FW部隊が突撃。


 だが。


 黒紫粒子爆散。


 終焉天使が空間短距離転移。


 一瞬で背後へ回る。


「なっ――」


 一閃。


 FW胴体切断。


『弱い。』


 冷たい声。


 だが。


 その戦い方には、

 どこか乱暴さがあった。


 怒り。


 憎悪。


 感情任せ。


『ソラナム。』


 赤い片目が揺れる。


『出て来い。』


 その時。


 艦隊後方空間が開く。


 青白い転移光。


 学園部隊到着。


「来た!!」


 カナタが叫ぶ。


 ノヴァリオン展開。


 白と金のHXが宇宙へ飛び出す。


 光翼展開。


『目標確認。』


『あれがフレアか。』


「……。」


 カナタは少し息を呑む。


 遠くに見える黒紫HX。


 ただ見てるだけなのに、

 嫌な感じがした。


 その瞬間。


 さらに後方から、

 重い機体が現れる。


 黒鉄色。


 巨大パイル。


 重装甲。


《バスティオン・カスタム》


『ソラナムさん……。』


 終焉天使の赤い目が揺れる。


『……来たか。』


 次の瞬間。


 両機同時加速。


 ドォォォォン!!


 黒紫と黒鉄。


 宇宙中央で激突した。


 粒子爆発。


 衝撃波。


 バスティオンが殴る。


 終焉天使が斬る。


 重装甲FWとHX。


 本来なら勝負にならない。


 だが。


「ッ!!」


 終焉天使が初めて押し返される。


『……相変わらずだな。』


 フレアの声。


 少し笑っていた。


 ソラナムが低く返す。


『お前こそ。』


 宇宙の中心で。


 五年越しの戦いが、

 再び始まった。

次回予告


 《終焉天使》VSバスティオン・カスタム


 五年ぶりに激突する、

 ソラナムとフレア。


『そんな鉄クズ乗ってんのかよ。』


『十分だ。お前を止めるにはな。』


 HXとFW。


 本来なら埋まらない性能差。


 しかし、

 ソラナムは圧倒的技量で食らいついていく。


 一方、

 初の実戦艦隊戦へ投入されたカナタは、

 HX群との戦いに苦戦していた。

 そして。


 フレアの口から、

 五年前の真実が語られる


Chapter 20


「黒と紫」

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