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VALGRAVE - END OF GENESIS -  作者: 羽吹南瓜
第2部「継承編」
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Chapter 15「放課後メンテナンス」

『断る。』


「なんで!?」


『私はHXだぞ?人間に整備されてみろ。壊れるに決まってる。』


「むぅ」


 アカリは腕を組みながら、

 ノヴァリオン端末を睨んだ。


『私の状態は万全だ。』


「おねがい、ちょっとだけだから!」


『む…』


 放課後。


 学園整備棟。


 大型格納庫の一角では、

 ノヴァリオンの簡易点検が行われていた。


 白と金の装甲。


 展開された光翼ユニット。


 整備用アームが各部をチェックしている。


「うわぁ……。」


 アカリが思わず声を漏らす。


「やっぱ実物で見るとヤバ……。」


 学生用FWとは明らかに違う。


 装甲素材。


 内部構造。


 粒子ライン。


 全部が未知だった。


「でしょ。」


 カナタが少し誇らしげに言う。


『もっと褒めても良い。』


「お前…さっきまで嫌がってたのに、急に自慢しすぎだろ…」


 すると。


 アカリが端末へ顔を近づけた。


「……これ、

 本当に機械なんだよね。」


『そうだ。』


「なのに表情あるように見える。」


『私には感情再現システムが搭載されているからな』


「ヘ〜、そうなんだ」


「仲良くなるなって。」


 その時。


 格納庫シャッターが開く。


 入ってきたのは、

 黒い軍服姿のソラナムだった。


「っ、ソラナムさん!?」


「なんだその反応。」


「いや急に現れるから……。」


 ソラナムは軽く周囲を見渡す。


 そして。


 ノヴァリオンを見上げた。


「調整は。」


『問題ない。』


「ならいい。」


 短いやり取り。


 でも、

 どこか慣れていた。


 アカリが小声で呟く。


「……なんか普通に会話してる。」


「ね。」


 すると。


 ソラナムがカナタを見る。


「少年。」


「はい。」


「明日から実技訓練に入る。」


「実技?」


「FW基礎訓練。」


 カナタが少し首を傾げる。


「ノヴァリオンじゃなくて?」


「違う。」


「えぇ……。」


「まず人類側の戦い方を覚えろ。」


『合理的判断だ。』


「ノヴァリオンまで…」


 ソラナムは整備フレームへ寄りかかる。


「HXは便利だ。」


「はい。」


「便利すぎる。」


 少しだけ、

 その声が重くなる。


「頼り始めると、戻れなくなる。」


 カナタは少し黙る。


 その言葉。


 妙に実感があった。


 すると。


 アカリが空気を変えるように言う。


「でもさ。」


「?」


「普通のFWも嫌いじゃないよ。」


「へぇ。」


「泥臭い感じするし。」


 その瞬間。


 ソラナムが少しだけ笑う。


「分かってるじゃないか。」


「え。」


「強すぎる機体は、

 戦いを単純にする。」


 彼はノヴァリオンを見る。


「でもFWは違う。」


「違う?」


「操縦。

 判断。

 連携。

 全部必要だ。」


『非効率だな。』


「だから面白い。」


 その時だった。


 格納庫奥で、

 重い駆動音が響く。


GORORORORO……


「ん?」


 カナタ達が振り向く。


 整備用シートが外される。


 そこにいたのは。


 青色のFW。


 重装甲。


 無骨なシルエット。


 肩部大型キャノン。


 右腕には巨大なピストル状の射撃武器。


「うわ……。」


 カナタが目を丸くする。


「これが。」


 ソラナムが静かに言う。


「FW-G3《バスティオン》。」


『人類製対HX実戦兵器。』


 ノヴァリオンが珍しく真面目な声を出す。


『かなり硬いな。しかも、この銃弾、HXにも効くように出来てるな…』


「えっ、それってつまり。」


 ソラナムは機体を見上げる。

「あぁ、ついにHX以外でも戦えるようになったということだ。そして…明日からお前は、まずこれに乗る。」


「えぇぇぇ!?」


「ちなみに。」


「?」


「重いぞ。」


 翌日。


 カナタはその意味を、

 身をもって理解することになる。


次回予告


 FW-G3《バスティオン》。


 HX時代に生まれた、

 人類製対HX兵器。


 そして始まる、

 カナタの地獄の基礎訓練。


「重ッッッ!!」


『姿勢制御が雑だ。』


「うるさい!!」


Chapter 16


「鋼鉄の基礎訓練」

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