Chapter 7「白き光翼」
学園上空。
無数の重力砲撃が迫る。
「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
カナタの悲鳴。
その瞬間。
ノヴァリオンが動いた。
PHASE SHIFT
空間転移。
白い機体が一瞬で消える。
次の瞬間。
数百メートル後方。
重力砲撃が空振りし、
宇宙空間が抉れ飛ぶ。
「えっ。」
「今どうなった!?」
『空間短距離転移。』
『説明は後だ。』
「説明してぇぇぇ!!」
さらに。
第二射。
第三射。
白銀HXが重力砲撃を連続展開する。
『避けるぞ。』
「いや無茶だろぉ!?」
PHASE SHIFT
再転移。
白い残光が空へ走る。
カナタは完全に振り回されていた。
一方。
ヴァルグレイヴは、
敵HXへ突撃していた。
黒翼展開。
超高速機動。
拳が敵装甲へ叩き込まれる。
だが。
白銀HXは崩れない。
空間障壁。
重力偏向。
あらゆる攻撃が逸らされる。
『ソラナム少佐!!』
『敵重力場がさらに増大しています!!』
『このままでは――』
「分かってる。」
低い声。
その瞬間。
ガギギギギ……
『背面ビームキャノン展開。』
『高出力モード移行。』
ヴァルグレイヴが砲身を構える。
黒い粒子が収束。
宇宙が震える。
『撃つぞ。』
ソラナムが呟く。
次の瞬間。
黒い極光が放たれた。
超高出力粒子砲超高出力粒子砲。
重力場ごと敵HXを呑み込む。
轟音。
閃光。
空間崩壊。
『命中確認!!』
『敵反応――』
だが。
煙の中から、
白銀HXが現れる。
損傷はあった。
しかし、まだ動く。
「マジかよ……。」
カナタが青ざめる。
その時。
ノヴァリオンが静かに言った。
『……なら、こちらも出力を上げる。』
「え?」
『カナタ。』
『武装展開を行う。』
「武装?」
次の瞬間だった。
ガコン!!
ノヴァリオン背部装甲展開。
白金のフレームが露出し、光翼が分離する。
「うおおおおお!?」
『AETHER ARMS SYSTEM起動。』
翼が変形。
回転。
接続。
蒼い粒子ラインが空間へ走る。
さらに。
両腕装甲がスライド。
内部から巨大粒子刃が形成された。
『近接戦闘モード。』
『《グランエッジ》展開。』
「変形したぁぁぁぁ!?」
『どうだ、カッコいいだろう?』
「HXにそういう感覚あるの!?」
『重要だぞ。』
「あるんだ……。」
一方。
ソラナムは僅かに目を細めていた。
『……その変形機構。』
『やっぱり、旧世代HXじゃないな…』
五年前のGENESIS戦争で見た、どのHXとも違う。
ノヴァリオンは明らかに異質だった。
その瞬間。
白銀のHXが、カナタへ照準を向ける。
『新規適合者確認。』
『排除優先度上昇。』
「えっ。」
『来るぞ。』
ノヴァリオンが即座に加速する。
だが。
敵HXの方が速い。
重力加速。
空間圧縮。
一瞬で間合いを詰めてくる。
「うわぁぁぁ!?」
『剣を振れ。』
「無茶言うなぁ!!」
しかし。
身体が動いた。
SYNC LINK。
ノヴァリオンの感覚が、
カナタへ流れ込む。
自然に。
本能のように。
白い粒子刃が振り抜かれる。
斬撃。
宇宙へ蒼白い軌跡が走る。
白銀HXの腕部が吹き飛んだ。
『ッ――!?』
「え。」
「斬れた……!?」
『当然だ。』
『私の武器なのでな。』
「ちょっと嬉しそうだなお前!?」
だが次の瞬間。
敵HXが再生を開始する。
「うわ、また生えてきた!!」
『再生速度が異常だ、普通ではない。』
その時だった。
突然ノヴァリオンが静かになる。
『……待て。』
「え?」
『この反応。』
宇宙空間の奥。
さらに巨大な反応。
空間そのものが歪み始める。
ソラナムの目が険しくなる。
『ッ……まさか。』
その瞬間。
通信全域へ警報が響いた。
WARNING
HIGH-RANK HX DETECTED
『超高位HX反応!!』
『空間ゲート形成!!』
『新たな敵性存在出現します!!』
宇宙が裂ける。
そこから現れたのは。
巨大な、
黄金の翼だった。
次回予告
突如現れた、
新たな高位HX。
その圧倒的存在感に、
戦場が凍りつく。
『識別コード――』
『UNKNOWN』
一方。
ノヴァリオンは、
その存在を見て初めて動揺する。
『……何故お前がいる。』
そして。
ソラナムは、
五年前に失われたはずの“ある機体”を思い出していた。
Chapter 8
「黄金の残響」
設定資料イラストとか載せてます↓
https://linevoom.line.me/post/1177858528515451039




