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VALGRAVE - END OF GENESIS -  作者: 羽吹南瓜
第1部「覚醒編」
16/34

Chapter 15「守る理由」

宇宙が赤く染まっていた。


《TYPE:GENESIS》


 惑星級終焉機構。

 その中心部で、

 超広域殲滅砲がゆっくりと収束を始める。


ENERGY CHARGE:62%


『駄目です!!』

『出力規模が違いすぎる!!』

『ヘリオス・ベース全域が消し飛びます!!』


 基地内部。

 避難シェルターでは、

 子供たちが泣いていた。

 兵士たちは震えていた。

 それでも。

 誰も逃げられない。


 宇宙空間。

 《ヴァルグレイヴ》が前へ出る。


「止める。」

 ソラナムが低く呟く。


『無茶よ!!』

 リゼが叫ぶ。

『あんなの、真正面から止められる規模じゃ――』


「でも。」

 ソラナムは前を見る。


「ここで引いたら、終わる。」


 その瞬間。

 横へ真紅の機体が並んだ。


《クリムゾナー》



「だから一人で背負い込まないでくださいって。」



「フレア……。」


 フレアは笑う。

 恐怖なんて無いように。



「昔からそうだったじゃないですか。」



「先輩、無茶する時だけ一人で行こうとする。」



「……。」



「でも。」



 《クリムゾナー》が、

 巨大ブレードを構える。



「今は、俺もいます。」



 その言葉。

 それだけで。

 ソラナムの胸の奥が少しだけ軽くなった。


 その時。

 通信が入る。



『フレア!!』



 ミリアだった。



『機体限界超えてる!!』

『これ以上前に出たら――』




「大丈夫だって。」


 フレアが笑う。



「俺、結構しぶといんで。」



『そういう問題じゃ――』


「ミリア。」

 フレアが静かに言う。



「守りたいんだ。」



 その一言に。

 ミリアは言葉を失った。


 そして。

 小さく笑う。



『……ほんと、バカ。』



ENERGY CHARGE:81%


 《GENESIS》中心部が発光する。

 星そのものが砲身だった。


『来ます!!』


 その瞬間。

 《ANGEL PRIME》が前へ出た。


光輪展開。



『人類へ通告。』



『終焉機構は停止不可能。』



「だったら!!」

 ソラナムが叫ぶ。


「ぶち壊せばいい!!」


《ヴァルグレイヴ》加速。


 黒い粒子が宇宙を裂く。

 それに続く。


《クリムゾナー》

《セラフィム》

《アークウィング》


 四機同時突撃。


 迎撃HX群展開。

 無数の光。

 無数の敵。


「邪魔ァァァァ!!」

 フレアが吠える。


超近接乱戦。


 《クリムゾナー》がHX群中央へ突撃。

 高熱ブレード横薙ぎ。

 一撃で三機粉砕。


「うおおおおおおッ!!」


 推進機過負荷。

 限界加速。

 赤い粒子が尾を引く。


『フレア速度上がりすぎ!!』

『フレームが耐えられない!!』



「耐えろォォォ!!」



 《クリムゾナー》がさらに加速。


 一方。

 《ヴァルグレイヴ》は、

 《LANCELOT》と激突していた。


黒と黄金。


 拳。

 斬撃。

 粒子衝突。

 超高速戦闘。



『人類は脆弱。』



「うるせぇ!!」



『何故抗う。』



「生きたいからだ!!」


SYNC RATE:78%


 ソラナムの視界へ、

 再び未来映像が流れ込む。


 滅んだ文明。

 泣き叫ぶ人々。

 HX軍団。

 そして。

 人類同士の争い。



『文明は必ず自壊する。』



「それでも!!」


 ソラナムが叫ぶ。


「誰かを守りたいって思う奴がいる限り!!」


《ヴァルグレイヴ》出力上昇。


 黒い翼が展開した。


『新形態……!?』


 だが。

 その瞬間だった。


WARNING

《クリムゾナー》 FRAME ERROR


「ッ!?」


 フレア機の右腕部が爆散。

 装甲剥離。

 火花。


『フレア!!』

 ミリアが叫ぶ。



「まだだァァァ!!」



 それでも。

 《クリムゾナー》は止まらない。


 HX群中央へ突っ込み。

 無理やり突破口を作る。


「行ってください!! 先輩ぇぇぇぇ!!」


「フレア!!」



「アンタは!!」



 炎の中。

 フレアが笑う。



「人類の希望なんだから!!」



 その言葉。

 その瞬間。

 ソラナムの目が揺れた。


SYNC RATE:80%


 《ヴァルグレイヴ》が咆哮する。


OVERDRIVE:LIMIT解除


 黒い粒子が爆発した。


 そして。

 《GENESIS》主砲が、

 ついに発射される。


終焉の光。

次回予告

 《GENESIS》主砲発射。

 迫る終焉の一撃。

 その圧倒的光を前に、

 人類艦隊は崩壊寸前へ追い込まれる。


 一方。

 SYNC RATE80%へ到達したソラナムは、

 《ヴァルグレイヴ》と完全同調領域へ突入。

 人間とHXの境界が、

 崩れ始めていた。


 そして。

 限界を超えて戦った《クリムゾナー》に、

 ついに致命的損傷が発生する。



「まだ終われるかよ……!!」



 炎の中で叫ぶフレア。

 その姿を見たミリアは、

 ある決意を固める。


 さらに。

 《ANGEL PRIME》が、

 初めて“武器”を展開する。


Chapter 16

「黒き翼」

 希望か。

 終焉か。

 その境界線が、開かれる。

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