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VALGRAVE - END OF GENESIS -  作者: 羽吹南瓜
第1部「覚醒編」
13/30

Chapter 12「紅蓮の再会」

宇宙空間。


 爆炎の中を、《クリムゾナー》が突き抜ける。


《FW-X9 クリムゾナー》


 赤い重装甲。


 各部へ過剰搭載された推進機。


 巨大ヒートブレード。


 まるで“炎の塊”のような機体だった。


「うおおおおおッ!!」


 フレアの叫び。

 《クリムゾナー》が飛行型HXを真正面から叩き斬る。


 爆散。


 さらに加速。


『第二区画の敵群減少!!』


『赤いFWが押し返してます!!』


「相変わらず無茶苦茶だな……。」


 ソラナムが苦笑する。


「先輩こそですよ!!」

「なんなんですかその機体!!」


 通信越しでも分かる。


 フレアは本気で驚いていた。


「黒いし喋るし変形するし!!」


「アカデミー時代の先輩、もっと普通でしたよね!?」


「俺も普通のつもりだったんだけどな……。」

 その瞬間。


 《THRONE》が青い粒子を展開した。


高速突撃。


「来るぞ!!」


「了解です!!」


 《ヴァルグレイヴ》が前へ。


 《クリムゾナー》が右側面へ回り込む。


連携機動。


 青い光弾。

 それを《ヴァルグレイヴ》が回避。


 同時に。


 《クリムゾナー》が推進機を限界噴射した。


爆発的加速。


「ぶち抜けぇぇぇぇ!!」


 高熱ブレード直撃。


 《THRONE》が初めて大きく体勢を崩す。


『すご……。』


 リゼが思わず呟く。


 連携精度が異常だった。


 五年ぶりの再会とは思えない。

「昔からこうなんだよ。」


 ソラナムが言う。


「こいつ、人の動き読むのだけは異様に上手い。」


「いやぁ、先輩の背中ずっと見てましたから!!」


 その言葉に。


 ソラナムが少しだけ目を細める。


 アカデミー時代。


 まだHXなんて存在すら知らなかった頃。


 訓練場で、いつも後ろを付いてきていた少年。

『羽吹先輩!!』


『もう一回模擬戦お願いします!!』


 何度負けても食らいついてきた。


 真っ直ぐで。


 騒がしくて。


 でも。


 どこか放っておけなかった。


「……変わってねぇな。」


「そりゃそうですよ!」


「先輩に追いつくために頑張ってきたんですから!!」

だが。


 その時だった。


WARNING

HX群、再編成開始


『敵群が動く!?』


 オペレーターが叫ぶ。


 《THRONE》が静かに後退する。


 そして。


 背後にいる《LANCELOT》へ視線を向けた。

『解析完了。』


『人類は、“感情接続”によって戦闘効率を上昇させる。』


「感情接続……?」


 フレアが眉をひそめる。


『非合理的。』


『だが、観測価値あり。』


 次の瞬間。


 HX群全体が動いた。

一斉突撃。


『敵群来ます!!』


『数、三十以上!!』


「ッ!!」


 ソラナムが《ヴァルグレイヴ》を構える。


 だが数が多い。


 防ぎ切れない。


 その時。


 新たな通信が入った。

「こちらEVA管理局所属アークウィング!」


「援護に入るよ、フレア!」


 白と青の高速FWが戦場へ突入した。


 可変翼。


 高機動型。


 鋭い女性の声。


「来た!!」


 フレアが笑う。


《FW-A7 アークウィング》

 機体はHX群の間を高速通過。


 精密射撃。


 一瞬で三機撃墜。


『新規友軍確認!!』


「もう、また無茶して……。」


 通信モニターへ映る女性。


 長い銀髪。


 落ち着いた目。


 だが少し呆れたような表情。

「久しぶりです、羽吹先輩。」


「……え?」


 ソラナムが固まる。


「ミリア・ノクトです。」


「ミリア!?」


 フレアが笑う。


「へへっ!」


「俺の彼女です!!」

一瞬。


 通信回線が静まり返った。


「……彼女?」


『……彼女。』


 リゼの声が妙に低い。


「あっ。」


 フレアが固まる。


「お前そういうの今言う!?」


「いやなんか流れで!!」


「流れってなんだよ!」

ソラナムが素早くツッコミを入れた。

緊迫した戦場のはずなのに。


 一瞬だけ。


 空気が軽くなった。


 だが。


 その光景を。


 《ANGEL PRIME》は静かに観測していた。


『人類は、不完全。』


『脆弱。』


『だが――』

赤い単眼が揺れる。


『何故、笑う。』


 そして。


 《ヴァルグレイヴ》内部。


SYNC RATE:68%


 ソラナムは気づいていなかった。


 “人と繋がるほど”。

終焉因子が不安定化していることに。


Chapter 12 END

次回予告


 フレアとミリア。


 五年ぶりに再会した後輩達。


 束の間の連携によって、

 《ヘリオス・ベース》防衛戦は徐々に押し返し始める。


 だが。


 《THRONE》は静かに分析していた。


『感情共有。』


『人類は個ではなく、“繋がり”によって性能を拡張する。』

一方。


 SYNC RATE68%へ到達したソラナムは、

 次第に“自分”と《ヴァルグレイヴ》の境界を失い始める。


 聞こえ続ける終焉の声。


 HX戦争の記憶。


 そして。


 “人類滅亡”の未来映像。


 さらに。


 EVA管理局上層部が、

 極秘裏に《ヴァルグレイヴ》鹵獲作戦を開始。


 その命令を受けた特殊部隊が、

戦場へ到着する。


 そして。


 《LANCELOT》が、ついに本気を解放する。


Chapter 13

「蒼銀の騎士」


 戦場は、

 さらに絶望へ加速する。

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