088 精霊契約のその後
狐の精霊、空狐と精霊契約した。
名前がクーコなのかと思っていたら違ったらしい。
種別は妖狐だが、その妖狐にはランクがあって下から野狐、気狐、空狐、天狐となる。
その中の空狐のランクにいる。
名前は無いらしいので、もう、面倒だから名前もクーコにしちゃった。
あはは。
クーコは鵺のライヤと仲がいい。
ライヤ兄さんって呼んで慕っている。
妖精達が火の精霊と勘違いしていたのは、得意な魔法が狐火と言う火の玉を操るものだからだった。
狐火以外の魔法も使えるらしいので、今後に期待だ。
さて、それはそれとして、次の行き先を決めなきゃ行けないのだが、次はハルカの復讐を果たそうと思っている。
ペロの復讐、エリの精霊契約と来たので、次はハルカの番だ。
その前に、精霊達が異世界から召喚された場所を調べにいく事にした。
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「此処でバズ達が召喚されたのか。」
「ソウデス。」
ちょっと見た目では分からない様に、魔力で隠蔽された場所に洞窟があった。その洞窟の中。
開けた場所に来ていた。
周りには何もない空間。
床には極大の魔法陣が作られていた。
しかし魔法陣には大きな亀裂が入っていた。
エリは魔法陣を凝視し、子供が大好きな玩具を触るように喜々として、丹念に確認する。
「これは凄い。究極の魔法陣じゃ。相当高い知識の大魔法使いが作り込んだのじゃろう。複雑且つ緻密。古の技術と知恵が詰め込まれている様じゃ。」
魔神パズズのバズ、鵺のライヤ、雪女のユキ、空狐のクーコ、異世界から精霊召喚された4人は苦々しく魔法陣を眺めている。
「この亀裂は良く分からんのぅ。
特に重要な部分を隠すでも無い。
適当に魔法陣を壊した様じゃ。」
「ああ、それはバズさんが壊した跡やねん。」
「バズが?」
「覚エテ無イゾ。」
「召喚直後に、何事か喚きながら暴れて、壊してましてん。」
「フム。確カニ召喚サレタ時ハ、頭痛ガ酷クテ暴レタ記憶ハアル。」
「亀裂はそう言う事なのじゃのぅ。
しかし、妙じゃな。」
「どうした?」
「魔法陣は精巧だが、魔法陣を構成する素材は使い捨てのもの、アンバランスな作りじゃ。まるで・・・。」
「まるで?」
「実験的に作った様じゃ。」
「実験!」
バズが怒りに震え濃厚な闇が渦巻く。
「我ラハ、実験デ召喚サレタノカ!」
ライヤもユキもクーコも闇を秘めた眼で魔法陣を睨む。
「我憤怒。」
「わちきも許しんせん。」
「ウチも許せまへん。」
その後、洞窟には他に魔族に関する情報は無かった為、次の目的地に行く事にした。
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妖精国。
「フェルゴ将軍!行方不明だったフェルガ様が戻って来ました。」
兵士が将軍に伝えた。
「おう!馬鹿息子が帰って来たか。」
蜻蛉の翅の妖精であるフェルガが将軍の前に飛んで来た。
「親父!東地区で怪しい奴等を出会った。報告する。」
「馬鹿者!精霊だけでも手を焼いてるのに、敵を増やしてどうする!
その者には会った。
精霊をあと一歩まで追い詰めた時に、ドラゴンに乗って現れた。」
「ド、ドラゴン?」
「追って罰を与える!牢屋で反省してるが良い。お前のせいで数千人の仲間が殺された。責任は重いぞ!」
「す、数千人!」
フェルガは兵士達に連行された。
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数日後、妖精国将軍フェルゴと小人国のナルジーの会話。
「ナルジー、小人国に出現した精霊は、その後どうなった?」
「旅人に対応して貰ったよ。」
「ドラゴンを連れた旅人か?」
「そうだ。良く分かったな。」
「儂ら妖精国は、そのドラゴンを連れた旅人と敵対した。」
「ご愁傷様。妖精国は終わりだな。」
「何!同盟国なのに共闘せんのか!」
「馬鹿を言うな!お前の息子が勝手に喧嘩を売った事は知っておるぞ。
ドラゴンやリッチ、サイクロプスを瞬殺する人達と敵対出来るか!
国民の命を何だと思ってる。」
「それ程までの実力なのか・・・。」
「そうだ。国民の命を守りたければ、ひたすら謝って、許して貰う事だな。」
「せめて情報でも貰えないか?」
「情報を集めるのが得意な小人達は、確かに彼等の情報は得ている。しかし彼等と敵対する気は無いのだ。危険を犯してまで情報を渡す訳がなかろう。」
「そ、そこを何とかならんか?」
「何ともならん!」
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