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084 氷の精霊を従魔にした

雪嵐のホワイトアウトから出て来た、黒い長髪、白装束の女性。


雪女?


精霊召喚で異世界から召喚された風の大精霊魔神パズズのバズが、俺達の前に進み出た。


「都市ヲ襲ウノハ止メタ。

魔族ノクビキヲ断チ切ッテ、

我ハ、コノモノ達ト契約シタ。

精霊ノ泉ヲ出ル。

ユキヨ、オ主モ自由ダ。」


「もう遅い のでありんすぇ。

こちの 都市は滅亡しんした。」

雪女なのに花魁言葉?


「わちきは、こちの都市をベースに召喚した魔族に復讐しんす。」


「復讐スレバ良イ。オ前ノ自由ダ。」

バズは無表情で答えた。


ユキは無言でバズを見つめる。

バズもその後、無言になった。

無言になっちゃった。何かあるのか?


ふ~ん。復讐か。

俺はユキとバズの会話に割り込んだ。

「バズとライヤも召喚した魔族に復讐したいのか?」


「ぬしは、どなたでありんす?」

ユキは俺を凝視した。

おっと、自己紹介がまだだった。

失敬、失敬。


バズの横に並びユキに話し掛けた。

「すいません、自己紹介が遅れました。ショータと言います。バズとライヤを精霊契約しているエルフのエリの・・・、主です。」

エリはうんうん頷く。


「そうでありんすか。

わちきはユキでありんすぇ。ぬしは魔力も無いただの人間に見えんす。」

ユキは俺に嘲弄ちょうろうした微笑を投げる。


「ハハハ、甘ク見テルト痛イ目ニ遭ウゾ。我ガエルフト契約シタノハ、ショータ様ニ負ケタカラダ。」


「それがまことなら興味深い事でありんすが、冗談でありんしょう。」

ユキは俺を一瞥いちべつした。


「フハハ、試シテ見レバ良カロウ。ショータ様、ガツントヤッテ下サイ。」

何故かバズは自信満々だ。


え~。戦うのぉ。嫌だなぁ。


俺の乗り気じゃ無い態度を、見ていたユキは不敵な笑みを浮かべる。

「もし、わちき が負けたら、精霊契約してもいいでありんすぇ。」


ああ、バズはこれが狙いだったのか。


「そこまで言われたら、しょうが無いねぇ。」

俺は一歩前に出る。


ユキは驚愕の後、真顔で身構えた。

「いつ来ても、良いでありんすぇ。」

ユキの全身から冷気が溢れる。


俺は気配を消して、一気にユキの背後に移動した。


寒さの為、気を全身に循環させていたので、改めて脚に気を込める必要は無かった。


そして、多分たぶん魔力が強大なユキは、魔力を感じて瞬間的に行動する事から、魔力が無い俺の、気を使った刹那の移動は感知出来ないだろうと思った。


思い通りにユキは俺を一瞬見失った。

それは命取り。


ユキの背後に移動した俺は右手のてのひらを、背中に付けると直ぐに生命力吸収ライフドレインを実施。


急激に今まで味わった事の無いダメージを受け、ユキは膝を着く。

更に生命力を吸収し続ける。


ユキは両手も地に付けてうめく。

「ああああ。」


「ショータ様、ソコマデニシテ下サイ。」

バズが俺を止める。


「はぁ、はぁ。」

ユキは項垂うなだあえぐ。


まあ、取り敢えず回復するか。

俺はユキの左手を掴み、気を込めて回復した。


ユキは生命力が戻る毎に頬を赤らめていった。


そして、振り返り俺に媚びる眼差し。

「あちきは、ぬしさまの従魔になりんす。」


ん、従魔って言ったか?

「従魔?精霊契約じゃ無いの?」


俺がユキに聞くと、ユキは伏し目がちに答えた。

「そちらのドラゴンはぬしさまの従魔でありんしょう。わちきも同じ立場になりたいのでありんすぇ。」


俺はエリを見た。

「妾の契約精霊でも、主様の従魔契約でも、戦力増強になるのじゃ。」


「そうだな。本人の意向を大切にして、従魔契約でも良いね。

人型ひとがただし一緒に居ても、問題は無いだろう。

ところで、精霊って従魔契約出来るのかい?」


「純粋な精霊は難しいのじゃが、異世界から召喚されたのじゃろう。

元は精霊では無い様なので、精霊と魔物の中間というか、曖昧になっているようじゃ。

従って従魔契約出来そうな気がする。

まあ、試して見たら良いのじゃ。」


で、結論。


従魔契約出来ました。

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